ライブ当日のステージセットは、各楽器がボーカルを囲うように半円状に並べられており、まるで何かの実験を行なうかのようだった。実際に、ライブ中にはバンドという集合体でありながら、各パートが独立してDAOKOとのセッションを繰り広げる場面も。時に彼女に優しく寄り添い、時にその焦燥感を駆り立てるようなサウンドを展開した。また、その際にはDAOKOがいわば“客体”となり、“主体”となるバンドが彼女を音楽で揺さぶることで、これまでの音源で聞いたことのない、DAOKOの歌声における新たな表現を導き出すような光景も目撃された。これは、ボーカルとサポートバンドとして今までにない関係性だろう。 そんな最新モードのDAOKOを象徴したのが、ライブを超えて“ショーケース”と呼ぶに相応しいほど、細部まで展開が作りこまれた本編中盤ブロックだ。最新曲「御伽の街」のほか、「かけてあげる」や「さみしいかみさま」で熱量を上げ