居場所を求めて集まる「トー横キッズ」。元ホストの男性はここで、「仲間」とオーバードーズを繰り返していた=東京都新宿区歌舞伎町で2023年11月29日、加藤昌平撮影 目の前の快楽を求めれば求めるほど、将来への希望はなくなった。市販薬を過剰摂取する危険な「オーバードーズ」(OD)から抜け出せない若者たちがいる。高揚感が得られ、「つらい記憶を思い出したり、面倒なことを考えたりしなくて済んだ」。東京都新宿区歌舞伎町でホストをしていた男性(19)は落ち込んだ時に過剰摂取を繰り返し、違法薬物にも手を染めた。 男性がODを初めて知ったのは、2022年秋だった。歌舞伎町の複合施設「新宿東宝ビル」周辺に集まり、「トー横キッズ」などと呼ばれる若者と付き合い始めたばかりのころだ。「これ、すっごく楽しいよ」。路上に座り込んでいた少女が笑みを浮かべ、ろれつの回らない口調で錠剤を差し出してきた。 都内のベッドタウン出