食べられる食品は捨てずに生かす。「当たり前」と思えるフードバンクと呼ばれる活動が改めて注目されている。これまで東京や兵庫のNPO法人が行ってきた活動は、2007年から08年にかけて沖縄、広島などにも広まり、いま名古屋や北海道でもフードバンク設立の準備が始まっている。 まだ食べられるのに「完璧でない」「市場性がない」からと捨てられていた食品を食品会社などから寄付してもらい、それがあれば助かる、という人たちに無償で届ける。もちろん、賞味期限が切れていない、安全に食べられる食品である。企業の社会貢献の新しい形としても、今後ますます関心を集めそうだ。 350トンの食料引き取り、約60の施設に配る フードバンクは米国で生まれ、40年以上の歴史がある。日本での草分けは、東京・浅草橋の「セカンドハーベスト・ジャパン」だ。2002年、今も理事長を務めるアメリカ人、チャールズ・マクジルトンさんがつくった。