目撃の医師「狂気伝えたい」=戦後70年で資料展−米捕虜生体解剖事件・福岡 「九大生体解剖事件」の写真資料などを見せる東野利夫さん=6日、福岡市 第2次世界大戦末期に九州帝国大学(現九州大)で、米兵捕虜8人が実験的な手術を受け死亡した「九大生体解剖事件」の最後の目撃者で、医師の東野利夫さん(89)が19日から、福岡市で営む医院で事件の裁判記録などの資料を展示する。戦後70年を迎え、記憶の風化が懸念される中、「戦争の狂気を伝えたい。それが私の最後の仕事だ」と考えている。 〔ニュースワード〕「九大生体解剖事件」 事件があったのは、東野さんが医学部に入学したばかりの1945年5月。目隠しされた捕虜2人が解剖実習室に運ばれ、麻酔の後、海水を血管に注入されたり、片方の肺を摘出されたりする光景を目撃した。 東野さんは医師らの指示で海水入りの瓶を持ったり、術後に床の血を洗い流したりした。捕虜の体から標