娘の通う学校の大先生の曲を聞いていた。野田暉行氏の書いたギター協奏曲である。演奏者は山下和仁のギター、尾高忠明指揮東京フィルハーモニー交響楽団によるもので、実はお目当ては吉松隆の「天馬効果」の方だったのだが、そちらの見事さはさることながら、野田暉行氏の作品に大いに興味を抱いた。 もう買ってから何年になるのか…。LPで所持していたわけで、CDになって買いそびれていたのを、先日オークションで見つけて手に入れたものである。 この曲を聞いたのは結婚間もない頃の事だった。極端な前衛というか、実験主義は後退し、調性が復権した頃にあたる。この2作は当時のそうした音楽界の事情をとてもよく表していた。 野田暉行氏のこの作品が、ごく平易な言葉で語られていると言う気はないが、モードを徹底的に活用して作られていることに深い共感を憶えずにはいられない。 オリオン星座にある馬頭星雲の写真がジャケットを飾っていたのも懐