第1部<WebMのインパクト> 「ロイヤルティー・フリー」の 危ういバランス Google社がH.264に代わって普及させようとしている動画フォーマットが「WebM」だ。ロイヤルティー・フリーをうたうが,既存特許に抵触する可能性が指摘されている。特許訴訟を回避するため,Google社はWebMに“ある仕掛け”を埋め込んだ。 「米Google Inc.がH.264のサポートを打ち切る」。このニュースにインターネット業界が騒然となった。Google社が2011年1月11日,同社が開発した Webブラウザー「Chrome」において動画フォーマットの一つである「H.264/MPEG-4 AVC(以下,H.264)」のサポートを2カ月後に打ち切ると突如発表したのだ。Chromeはこれまで動画フォーマットとしてH.264 と,Google社が中心になって普及を進めている「WebM」の両方をサポートして