デザインという言葉は今日では一般的ですが、デザインという言葉がなかったような過去の古典美術の世界でもデザインの概念はありました。絵画というと、デザインというよりファインアートの印象が強いですが、過去の画家たちから学ぶことも多くあります。そこで、今回は古典絵画から学ぶデザインについて説明します。 絵の情報量 モチーフの置き方で変化するもの こちらに2枚の絵があります。 Aは木の隣に猫がいます。Bは木の後ろに猫が配置されています。どちらも同じ要素で描かれていますが、違いは何かわかるでしょうか。 答えは「情報量」です。 Aの場合、木と猫が並んではいるものの、3次元で考えたときに「どちらが前にあるのか」や「どちらが後ろにあるのか」がわかりません。わからない、ということは観るほうにとって情報が与えられてない、ということです。 一方、Bは確実に「木が前で猫が後ろにいる」という情報を観る人に与えます。つ