大阪桐蔭には3つのコースがあり、体育・芸術を強化するIII類には多くの競技の一流アスリートが所属している。 昨年暮れ、所用で東京大学駒場キャンパスに2日ほど通った。関西の私大卒の私にとって、東大は初めてだ。いい年をしているから警備員の人が会釈してくれたりしたが、アウェー感が半端なかった。 ひょっとしたら顔つきとか素振りで偏差値が低いのがばれないかと、ついつい早足になったものだ。どこへ行っても何か「ごめんなさい」と謝りたいような衝動に駆られた。 キャンパスで、取材でお目にかかったことのある小林至さん(元ロッテ、現・江戸川大学教授)を見つけて、ほっとした。 言うまでもないが、小林さんは大したものだ。東大に合格したうえに、プロ野球にまで進んだのだ。まさに「文武両道」。自己管理能力は、私なんかには想像できないくらい高いのだろう。 日本人はこの「文武両道」が好きだ。一芸に秀でるだけでも大変なのに、そ