バッドアート美術館 (Museum of Bad Art) は、「他のいかなる場所でも展示されず、真価を認められることのない作品を生み出した芸術家の健闘を讃える」[1]ことを理念に掲げる私設美術館である。もともとはアメリカ合衆国ボストン市近郊のデッダムに所在していたが、現在はサマービル、ブルックラインおよびサウスウェイマスの3箇所に館が分けられている[2]。500点を数える「目をそらすには酷すぎる」パーマネント・コレクション(永久収蔵品)のうち25から35作品が常に一般公開されている[3]。 バッドアート美術館 (MOBA) が設立されたのは1994年のことである。ゴミの山から拾ってきた1枚の絵を友人たちにみせた古美術商のスコット・ウィルソンが、コレクションを始めてみてはどうかと薦められたのがきっかけだった。1年とたたぬうちにウィルソンの友人宅で開かれる招待会には多くの人がつめかけるように