川崎重工業の世界戦略バイク「Ninja250R」が快走している。バイク好きの男性ライダーだけでなく、女性や初心者にも乗りやすくし、世界から幅広く支持を集めている。ここにたどりつくまでには、交通事情や体格も異なる世界の顧客ニーズを満たすための苦労があった。 開発のきっかけは平成17年、川崎重工業社内に「アジア総括部」が設立されたことだった。経済成長が続くアジアでの事業拡大を模索する部署だが、ここで「アジアを含めた全世界で通用する『世界戦略バイク』」という開発テーマが生まれた。 全世界であらゆる顧客層を狙うため、女性や初心者にも乗りやすいよう、大型化を抑えて排気量250ccにすることを早々と決めた。原型となったのは昭和62年式のGPX250。19年まで、20年近く生産を続けた、当時同社が誇る人気車だ。 アジア展開を視野に入れ、従来の人気車種を新型車にモデルチェンジする。と、目標を掲げるのは簡単