地下経済の深淵 コインに裏表があるように、経済にも「公式な経済」と、金額さえ容易には把握できない「地下経済」がある。その実態は知られていないが、世界的な金融緩和の影響もあって膨らむ一方だ。DOL編集部では現場を取材、その深淵をのぞいてみた。 バックナンバー一覧 金塊の密輸事件を始め、金取引の資金を狙った強奪事件など、金にまつわる事件は後を絶たない。中には、鉱山に投資して採掘して持ち込むヤクザまで。なぜなら金は、危ない橋を1回渡るだけで巨額のカネが懐に転がりこむ、コスパのいいシノギだからだ。DOL特集「地下経済の深淵」2回目は、金塊にまつわる地下経済の第二弾をお伝えする。(フリージャーナリスト 安藤海南男) フィリピンの鉱山に出資し 採掘させて日本に持ち込むヤクザ 「ルートなんていくらでもあるし、まだまだ稼げるシノギです」 都内の喫茶店で、50代のA氏は人目もはばからずこう言い放った。仕立て