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ブックマーク / blog.livedoor.jp/route408 (6)

  • 安息香酸のこと : 有機化学美術館・分館

    5月25 安息香酸のこと 某ミュージシャンの覚醒剤使用騒動に伴い、「アンナカ」という言葉がマスコミに流れるようになりました。アンナカは「安息香酸ナトリウムカフェイン」の略称ですが、単独の化合物名ではありません。興奮剤であるカフェインに、溶解性を上げるための安息香酸ナトリウムを混ぜたもので、これ自体は別に違法なものではありません。処方箋さえあれば販売可能ですが、最近ではあまり使われない医薬品のようです。ただし昭和の時代には、覚醒剤の混ぜ物あるいは代用品として出回ったことがあるとのことです(参考:弁護士小森榮の薬物問題ノート) カフェイン このニュースを見た人から「安息香酸って不思議な名前だけど、なんだろう」という声があったので、ちょっとその話を書いてみます。化学者にとってはおなじみの名前ですが、由来を知っている人は少ないのではないでしょうか。 安息香酸の構造は下図に示す通り、ベンゼン環にカル

    安息香酸のこと : 有機化学美術館・分館
    tetzl
    tetzl 2014/05/26
    食品添加物としては安息香酸としてキャビアに、安息香酸Naとして菓子の製造に用いる果実ペースト及び果汁、マーガリン、清涼飲料水、シロップ、醤油に使われていることがあります|ベンゼンと安息香の話おもちろい
  • プロセス化学のこと : 有機化学美術館・分館

    4月12 プロセス化学のこと プロセス化学と呼ばれるジャンルがあります。これは実験中にドロップキックやダブルアームスープレックスなどを繰り出すというものではなく(それはプロレスです)、医薬品などの化合物の大量供給法を確立する研究を行う分野です。作り出された化合物は、臨床試験や市販薬として、実際に人の体に入っていくことになります。なので筆者は、近著「創薬科学入門」で、「プロセス化学は創薬科学と社会をつなぐ架け橋である」と表現しました。 しかし架け橋となる研究であるだけに、プロセス化学には独特の苦労がつきまといます。実験室で作る化合物はだいたいミリグラム単位、多くてもせいぜい数百グラムです。経験した方ならおわかりの通り、自分で作るとなると数段階・数十グラムでも相当に気を遣い、納期の決まった仕事ともなると精神・肉体ともにヘトヘトになるくらいのものです。 しかし、プロセス化学で作る化合物は、数百キ

    プロセス化学のこと : 有機化学美術館・分館
    tetzl
    tetzl 2012/04/12
    「「逆に、不斉点のない化合物が上がってきたりすると、『我々にこんなつまらん仕事をやらせる気か』といって怒られます」」Merckさんパねえww
  • UCLA事故に刑事告発 : 有機化学美術館・分館

    2月29 UCLA事故に刑事告発 今月のNatureダイジェストに、ちょっと驚くような記事があったので紹介しておきます。 2008年の末、UCLAの有機化学研究室で、試薬の発火事故で23歳の女性研究員が大やけどを負い、亡くなった事件をご記憶の方も多いと思います。事件の詳細は、ChemStationの記事に詳しいのでそちらをご覧下さい。 この事故はすでに解決したと思っていたのですが、3年を経た2011年12月、研究員の指導教官であったPatrick HarranとUCLAを、ロサンゼルス地方検察局が告訴することになったそうです。Harranには逮捕状が出ており、有罪となれば最長4年6ヶ月の懲役、UCLAは約1億2千万円の罰金が科されるということです。筆者は法律にはうといですし、ましてアメリカの量刑の感覚などわかりませんが、これは単純な過失致死というより殺人未遂に近いような重罰ではないかと思い

    UCLA事故に刑事告発 : 有機化学美術館・分館
    tetzl
    tetzl 2012/02/29
    うちの分野も製薬とかに比べて遅れてると思うんだよなあ。ゴーグルすらしてない人も多いし…
  • スライムの青のこと : 有機化学美術館・分館

    12月1 スライムの青のこと さて昨日からツイッターなど眺めておりますと、どうやらこいつが大人気のようであります。 ずどーん。 ドラゴンクエスト発売25周年を記念した、ファミリーマート限定で売っている「スライム肉まん」なのだそうです。実は筆者はドラクエなるものを一度もやったことがなく、この形態を見ても何の感興も呼び起こされないのでありますが、まあかつてやりこんだ方々にはたまらない商品なのでありましょうね。 しかしこの商品、色が普通の肉まんにはあり得ないスカイブルーです。青ってのは基的に欲を失わせる色なんだそうですが、まあこの場合やむなしでしょう。しかしこの色を何で出しているのか、化学者としては気になるところです。青色1号か何かかなと思ったら、「合成着色料を一切使用しておりません」とのことです。天然由来のものってことですね。 青色1号。いかにも人工な構造。 実は生物界にあって、青という色

    スライムの青のこと : 有機化学美術館・分館
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    tetzl 2011/12/01
    「天然色素」でいうなら発がん性疑いで禁止になったアカネ色素というのもありましたな。分析屋してたときは合着よりウコン色素が嫌いだった。TLC上げたら汚いスメアになって妨害するんや…
  • 酒で超伝導を起こした話 : 有機化学美術館・分館

    7月28 酒で超伝導を起こした話 さて今回は「有機化学」という筆者の守備範囲から外れますが、あまりにも面白い話題があったのでそちらで一書いてみます。 今回の主役・赤ワイン 超伝導と呼ばれる現象があります。絶対零度近くの超低温で電気抵抗が全くのゼロになってしまう現象で、1911年にカメリン・オンネスによって発見されました。 その75年後、突如として世界を揺るがす発見がありました。スイスのIBMチューリッヒ研究所にて、ランタン・バリウム・銅の酸化物がかなりの高温で超伝導を示すことが発見されたのです。やがて組成を変えることによって転移温度(超伝導を起こす温度)はさらに高まることがわかり、世界中の物理学者に大フィーバーを巻き起こすことになりました。この功績により、発見者のミューラーとベドノルツは1986年のノーベル物理学賞を受賞しています。発表から受賞までわずか半年というのは空前の記録であり、今

    酒で超伝導を起こした話 : 有機化学美術館・分館
    tetzl
    tetzl 2010/07/28
    祝杯を先にあげる作戦だな|「酒飲みは皆酒でなにもかも解決しようとするメンヘル」という言葉がアタマをよぎったが気にしないことにする
  • 雨の匂い : 有機化学美術館・分館

    9月12 雨の匂い 日は筆者の住む関東も久々の雨でした。ということで雨と化学の話でも。 雨が降り出すと、独特の匂いがすることがあります。といっても雨そのものは基的にただの水ですから、匂いは持っていません。また「雨の匂い」も、しばらく降り続くと消えてしまいます。ではあれは何の匂いなのでしょうか? その正体は「ジオスミン」(geosmin、ゲオスミンとも)なのだそうです。「大地」(geo)+「匂い」(smell)から名づけられた化合物です。 ジオスミン 実はこの化合物は、地中に棲んでいる細菌類が作っている化合物で、雨が降ると土中から叩き出されて舞い上がり、あの匂いがするのだそうです。しばらく降るとジオスミンは洗い流され、匂いは消えます。 人間の鼻はこの化合物に対して極めて敏感であり、5ppt空気に含まれているだけでその存在を感じ取れる――のだそうです(Wikipediaより)。5pptとい

    雨の匂い : 有機化学美術館・分館
    tetzl
    tetzl 2009/09/14
    ジェオスミンは最新の測定器より鼻の方が感度よかったりして、なので分析装置につけるマスクのような「匂い嗅ぎアダプタ」もあったりする。
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