「高齢者が邪魔者扱いされるさまや、家族と同居しているのに孤独死する場面は、まさに高齢者問題のいまを描いている」 80歳の老女が、3世帯住宅に居場所を失い家出をする異色のマンガ『傘寿まり子』。この作品を読んでそう語るのは、ベストセラー『下流老人』の著者で、NPO法人ほっとプラス代表理事の藤田孝典氏だ。 『傘寿まり子』では、老人が運転する車が高速道路を逆走してしまうシーンや、主人公がふらついて車に轢かれてしまう、など、目を背けたくなるような話がこれでもかというくらいに詰め込まれている。本作は1巻発売直後から話題を呼び、増刷を重ね続けた。 なぜこのマンガが支持されているのか――。作中に登場するような、ネットカフェに一時避難している高齢者や、年齢を理由に入居拒否を受ける方々のサポートを日々行っており、先日『貧困クライシス』を上梓した藤田氏が原因を分析する。 『傘寿まり子』の第1話はこちら(『まだ生