ブックマーク / rollingstonejapan.com (12)

  • ジュリアン・ラージのジャズギタリスト講座 音楽家が歴史を学ぶべき理由とは? | Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン)

    ジュリアン・ラージ(Julian Lage)の演奏からはジャズ・ギターの歴史が聴こえてくる。ブルーグラスやカントリー、フォーク、インディーロックといった音楽ジャンルのみならず、アメリカ音楽史そのものを自由に横断するようなプレイには古さと新しさが同居し、伝統的だからこそ過激で実験的ともいえる。そんな彼の音楽に、コーシャス・クレイを含む世界中のジャズミュージシャンたちも魅了されている。 僕(柳樂光隆)はこれまでジュリアンに何度か取材してきたが、昨年11月の来日時に行なった今回のインタビューでは、彼の質に近づくべく「アメリカ音楽とギターの繋がりを戦前ジャズから考える」をテーマに話を訊いた。 このあとのQ&Aでは、ジュリアン人の作品について一切言及していない。それなのに、ありがちなインタビューよりも遥かに、彼のギターがもつ魅力の謎を解き明かすものになったと思う。気づいたらフリージャズの話に着地

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  • ミシェル・ンデゲオチェロの創作論 ジャズとSF、黒人奴隷の記憶をつなぐ「自分だけの神話」 | Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン)

    ミシェル・ンデゲオチェロ(Meshell Ndegeocello)の『The Ominichord Real Book』は2023年を代表するアルバムになったのと同時に、長いキャリアの中で数多くの傑作を発表してきたミシェルにとっての新たな代表作にもなった。 ジャズの名門ブルーノートからリリースされた同作には数多くのジャズミュージシャンが参加し、素晴らしい演奏を聴かせている。だが、このアルバムの凄さはそれだけではない。ミシェルはここに収められた曲に様々な文脈を込めている。それは曲名や歌詞、サウンドに様々な形で埋め込まれている。宇宙観や死生観を含めて、ミシェルの哲学のようなものが詰まっているとも言えそうなくらい壮大なものだ。 近年、両親を亡くしたことをきっかけにミシェルはアフリカアメリカ人としての自身と祖先への思いを強めていた。そんな思考を、彼女は音楽による壮大な物語の制作に向かわせた。そし

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  • テラス・マーティンが語る「LAらしさ」と知られざるルーツ、石若駿に会いたい理由 | Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン)

    ここ数年、テラス・マーティン(Terrace Martin)は規格外といえるほどアクティブに活動している。Love Supreme Jazz Festivalでの来日も話題になったロバート・グラスパー、カマシ・ワシントンとのディナー・パーティー名義で2作のアルバムをリリースする傍ら、盟友グラスパーの『Black Radio 3』やレオン・ブリッジズ『Gold-Diggers Sound』から、リゾ『Special』、セレステ『Not Your Muse』、バッドバッドノットグッド『Talk Memory』といった話題作まで幅広く貢献してきた。 さらにリーダー作も、2020年から昨年にかけてアルバム3作・EP4作を、自身のレーベル「Sounds Of Crenshaw」から立て続けに発表。2021年のアルバム『DRONES』はグラミー賞にもノミネートされた。さらに、今年もすでに『Fine T

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    theodoorjp
    theodoorjp 2023/08/30
    “西海岸の音楽はそんな感じ。そのグラインディングなところにスヌープたちがきて、反抗的な態度とゆったりさが共存したものが生まれたんだ。”
  • スパークスは50年のキャリアで何を歌ってきたのか? | Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン)

    結成50周年を迎えたスパークスが、ニューアルバム『A STEADY DRIP, DRIP, DRIP』を発表した。バンドと親交の深い岸野雄一が、これまであまり語られてこなかった「歌詞」を解析することで彼らの質に迫る。 オアシスやキリンジなど、実の兄弟によって活動していたバンドは世界中に数多くある。しかし肉親であっても一緒の活動が立ちいかなくなる事が起こるのだから、音楽を取り巻く表現の世界は過酷で不条理なものだろうと想像できる。そんな中にあって、兄のロンと弟のラッセルというメイル兄弟からなるバンド、スパークスは、1970年に結成された前身となるハーフネルソンから数えると、50年のキャリアを持つ息の長いバンドだ。前作の『Hippopotamus』(2017年)は全英チャートのトップテンにランクインするなど、かつてのファンだけでなく、アルバムを出すごとに若いファン層に再発見され続けており、コン

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  • 吉田豪が選ぶ2021年の年間ベストソング | Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン)

    Rolling Stone Japanでは昨年と一昨年と3年前に引き続き、プロインタビュアー・吉田豪氏に2021年のベストソングを挙げてもらった。 毎年、「ギャラ以上に手間がかかりすぎる」とボヤいてる気がするこの企画なんですが、なぜか今回は例年以上に時間がかかって選曲が全然終わらない! 着手してからすでに1週間以上経ってるけど、いい曲を10曲しか選べないってルールがそもそも間違ってるでしょ!……ということで編集サイドに何の連絡も入れないまま、あえてベスト20にしてみました(その結果、手間も倍に)。 1. 花譜×大森靖子「イマジナリーフレンド」 毎年のように大森さん関連楽曲が上位にい込む、このランキング。2020年もボクがいちばん聴いたのは、大森さんによるバーチャル・シンガー花譜(世界が違うから全然知らなかったけど、現時点でTwitterのフォロワー数は18.4万人!)への提供曲でした。そ

    吉田豪が選ぶ2021年の年間ベストソング | Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン)
  • 9席のバーでつなぐ世界 新宿ゴールデン街「西瓜糖」  | Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン)

    顔を出さない「はくる」のTwitterアカウントには5万人以上のフォロワーがおり、その中には著名な作家や翻訳家、アーティスト、編集者などが並ぶ。 ウェブに載せられた映画や展覧会の感想、ちょっとした言葉選びからは一貫した趣味の良さとどこかノーブルな雰囲気が感じられ、清潔な余白のある写真たちはタイムラインに作られたギャラリーのようでもある。ただ、彼女自身の実体はどこか透けていてつかめない。 「地元にいた頃、行きたいとこもないし話が合う人もいなかったからインターネットを始めたんです。『生きた心地がしない』と思って。せめて同じようなばつの悪さを感じてる人としゃべりたかった。それが小4ぐらい。私にとってのインターネットは、人生の解像度が似てる人を探し出して仲良くなれる手段。同じような言葉を使ってる人とか、何を見てどう感じるかとか、そういうのをわかったほうが人はちゃんと仲良くなれると思ってる。その頃は

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  • インコグニートのブルーイが語る、ブリット・ファンクとアシッド・ジャズの真実 | Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン)

    インコグニートのリーダーであるブルーイが、DJのジャイルス・ピーターソンと新プロジェクト「STR4TA」(ストラータ)を結成。彼らがリリースした1stアルバム『Aspects』にはすっかり驚かされてしまった。二人はここでブリット・ファンクを蘇らせているのだ。 【プレイリスト】柳樂光隆がブリット・ファンク周辺から選曲「around BRIT FUNK : 1970-1990’s」 ブリット・ファンクとは70年代末~80年代初頭、ジャズやファンク、ソウル、ディスコなどを取り入れたバンドによるシーンの総称。後年のアシッド・ジャズに引き継がれるだけでなく、ニューロマンティックやニューウェイブ、ファンカラティーナなど、当時のUKシーンに広く影響を与えた。 ブルーイが率いたインコグニートは、1990年にジャイルスの主宰レーベルであるトーキン・ラウドに参画。ジャミロクワイと共にアシッド・ジャズを象徴する

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  • メイド・イン・ジャパンは誰をエンパワーしたのか? 日本の楽器メーカーがもっと誇るべき話 | Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン)

    スヌープ・ドッグとドクター・ドレー。1994年、ニューヨークで撮影(Photo by mark peterson/Corbis via Getty Images) 自分たちの困難と、そのなかで感じている苦しみや辛さを音楽として表現するためには、それまでにはない「新しい声」が必要になる。東の果ての島国からやってきた、性能がよくて安価で、西洋の歴史性を背負っていないツールは、理想的な武器だった。もしかしたら、日のプロダクトは理念的にはずっと「デモクラティック(民主的)」なものだったのかもしれない。テクノロジー・ビジネス・音楽・出版など世界の最前線に触れてきた編集者、若林恵(黒鳥社)による楽器メーカーのもっと語られるべき話。 ※この記事は2020年3月25日発売の『Rolling Stone JAPAN vol.10』の特集企画「いまこそ『楽器』を」に掲載されたものです。 既存のヒエラルキーを

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    theodoorjp
    theodoorjp 2020/06/27
    “結局まだ実現できてないんですが、いつかやりたいんですよね。「音楽を変えた日本の楽器」って、Netflixのシリーズにでもなると思うんです。”
  • 小西康陽が語る、自分の曲を自分で歌う意味「OKと思えるのに40年かかった」 | Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン)

    小西康陽によるソロ・プロジェクト「PIZZICATO ONE」のニューアルバム『前夜 ピチカート・ワン・イン・パースン』がリリースされた。作は2019年10月のビルボードライヴにおけるワンマンライヴの模様を収録したもので、ヴィブラフォン/ギター/ピアノ/ベース/ドラムスという編成をバックに、小西は楽器を一切弾かずヴォーカルに専念。1988年~2018年の30年間で発表してきたオリジナル曲を、初めて自身の歌声で披露している。その背景を探るべく、旧知の間柄である音楽評論家の高橋健太郎がインタビュー。 2015年のPIZZICATO ONEのアルバム『わたくしの二十世紀』に収録された「ゴンドラの歌」を聴いた時から、小西康陽は遠からず、全曲、自分でヴォーカルを取るアルバムを作るのではないかと思っていた。なぜなら、それは確実に、彼がまだやり残していることに思えたからだ。だが、それがライヴ・アルバム

    小西康陽が語る、自分の曲を自分で歌う意味「OKと思えるのに40年かかった」 | Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン)
  • 腰パンとレイドバックと奴隷船 | Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン)

    文に何度も「ダルい」と書いたことだし、レイドバック・キング、ダル・ジョーンズの演奏風景。最近はジャック・ホワイトのドラマーとして有名。 ニューヨークでドサ回りに明け暮れる、脱サラ中年ミュージシャンの現地報告。今回は2000年のディアンジェロ『Voodoo』リリース以降、黒人音楽のリズムを語る上で必修科目となったレイドバックについて、都市伝説みたいな話です。 ※この記事は2020年3月25日発売の『Rolling Stone JAPAN vol.10』内、「フロム・ジェントラル・パーク」に掲載されたものです。 とあるレストランでBGM的な音楽を演奏していたときの話。バンドリーダーが僕よりずっと年配なこともあって、レパートリーはアシュフォード&シンプソンとかシャカ・カーンとか、そういう70、80年代のTOP40がほとんどなんだけど、ある曲を演奏しているとき、僕がレイドバックしていたら、バンド

    腰パンとレイドバックと奴隷船 | Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン)
  • ミュージシャンのリズム感が、ちょこっとダンス教室に通うだけで劇的に向上する理由 | Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン)

    ニューヨークであてどないドサ回りに明け暮れる、元編集者の中年ミュージシャン。彼が「渡米後最大の収穫」と語る発見は、ブラックミュージックの真髄だったのか、それとも……。 ※この記事は6月25日発売の『Rolling Stone JAPAN vol.07』内、「フロム・ジェントラル・パーク」に掲載されたものです。 このコラムの第3回で取り上げたボストンのライブスポット、ウォリーズカフェに通い始めてしばらく経ったある晩。最前列に陣取ってクレイグ・ヒルの長いソロに耳を傾けていたとき、僕はとてもシンプルな、しかし驚くべき現象に気がついた。 ワン、ツー、スリー、フォーって4拍を、バンドのメンバー全員が、頭をしゃくり上げて取っていたのだ。 これ、僕にとっては認識する以前と以後とで別人になったくらい大きな変化があった発見なので、「モスバーガーのきれいない方」みたいになってしまう危険性を感じつつ、くわしく

    ミュージシャンのリズム感が、ちょこっとダンス教室に通うだけで劇的に向上する理由 | Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン)
  • ソランジュ、話題のニューアルバム『When I Get Home』を若林恵と柳樂光隆が考察 | Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン)

    ソランジュが3月1日に突如発表したニューアルバム『When I Get Home』が大きな話題を集めている。2019年を代表する作品になりそうな作を掘り下げるため、『WIRED』日版前編集長(現・黒鳥社)で音楽ジャーナリストとしても活躍する若林恵と、『Jazz The New Chapter』シリーズの監修で知られる柳樂光隆によるクロスレビューをお届けする。 ソランジュという運動体 若林恵 音作品としてのアルバムの制作が音楽家の活動の中核をなしていた時代は、もう終わりを迎えているのかもしれない。 すでにしてSpotifyのような配信プラットフォームでは、アルバムよりもプレイリストのほうが重視されていて、アーティストが精魂こめてつくりあげた音楽上のナラティブなんていうものは、そのチャネル内では意味を失いつつある。 一方で、音楽活動は、もはや音楽だけを扱うものではなくなっているというのも趨

    ソランジュ、話題のニューアルバム『When I Get Home』を若林恵と柳樂光隆が考察 | Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン)
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