カレントアウェアネス No.274 2002.12.20 CA1479 動向レビュー 「問題利用者」論の動向 図書館,特に公共図書館は広く公開されることを前提としているがゆえに,「問題利用者」(problem patron)に直面するリスクがありうる。 問題利用者による問題行動(problem behavior)とされる行為は,飲食,徘徊,覗き行為・他人の凝視,大声での会話,ペットの持ち込み,物乞い,他の利用者や職員にみだりに話しかけるなどの迷惑行為から,喫煙,スリ・窃盗,恐喝,利用者・職員への暴言・暴行,放火,図書館資料や備品の窃盗または破壊行為,妄想症,露出症や子どもへの性的いたずらのような性的逸脱まで,さまざまである(1)。 図書館が思索と研究のための静謐な空間であるというイメージとは異なり,現実には,第一線の図書館員にとっては,問題利用者に関わる局面もありうる。「問題利用者」問題に