「文書が問題にしたのは、岡田氏が2001年1月に発表したはしかの細胞性免疫に関する論文の元データ。はしかにかかると、免疫が一時的に下がりますが、論文ではその実験データがあまりにきれいすぎた。明らかに人為的だと、改ざん疑惑が浮上したのです」 事態を重く見た吉倉所長は検証を進め、田代部長を通じて岡田氏に元データを出すように再三要請した。 問題となった“岡田論文”の一部 「しかし、田代さんも岡田さんも無視したため、所長は文書を出したのです」(同前) 文書は次のような文言が並ぶ。 〈前の依頼文でも述べましたが、論文が患者からの臨床データと分画された細胞の数、サイトカイン量の測定に基づく事を考えると直ちに提出が可能なものです。そのような性質のものであるにも関わらず提示出来ないと云う事は、データがそもそも無い(つまり捏造されている)か、著しく歪められて発表されたか、何れかであると判断せざるを得ない状況