**【科学技術振興機構・研究開発戦略センター長 野依良治氏 ―ノーベル賞の日本人受賞が続きましたが、将来や若手研究者の育成が危ぶまれています。 「私が学生のころは貧乏で研究環境は本当に劣悪だった。欧米とはとても競争できなかった。分析機器は古く、化学反応の試薬は買えず、溶媒も自分で作った。だから独自のことをやらざるを得なかった。指導教員も実験の手ほどきはしても、研究自体は放任された。だからこそ自由があった」 「現在は研究環境が整い、世界と競争できるようになった。逆に言えば、若手は規格化された環境に拘束されている。未知に挑めば孤独になる。研究者を論文数や被引用数で評価する限り、若手は親元で既成分野の論文を量産する道を選んでしまう。評価指標に過剰に適応した結果、自力で戦えない人材を育てることになる。若手にとって自由が何より大事だ。新しい領域を拓くことこそが若手に課せられた義務だ」 ―若手の置かれ
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