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ブックマーク / blog.tatsuru.com (6)

  • セックスワーク-「セックスというお仕事」と自己決定権 - 内田樹の研究室

    20年ほど前に性についての倫理を主題にした論集に「セックスワーク」についての寄稿を求められた。まったく不得手な論件だったけれども、苦心して書いた。なんというだったか忘れてしまった。たしか岩波書店から出た論集だと思うけれども、もう手元にない。 考えていることは昔と変わらない。今はもうこんなにきつい書き方はしないと思うけれど。 はじめに 最初に正直に申し上げるが、私自身は、セックスワークについて専門的に考究したこともないし、ぜひとも具申したいような個人的意見があるわけでもない。ときどき、それに関する文章を読むが、数頁(場合によっては数行)読んだだけで気持ちが沈んできて、を閉じてしまう。困ったものではあるが、私を蝕むこの疲労感は、必ずしも個人的なものとは思われない。 私の見るところ、この問題については、どなたの言っていることにも「一理」ある。ただし、「一理しかない」。異論と折り合い、より広範

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    tikani_nemuru_M 2022/07/02
    自己決定論に対して身体性がカウンターになりえるかというのは難しい。自己決定論は観念的であるが、対抗言論が困難/家父長制は売春を必要とする側面と排除する側面がある。売春擁護も否定も家父長制となりうる。
  • 直感と医療について - 内田樹の研究室

    第13回日日赤十字看護学会というところで講演をすることになって、長野県の駒ヶ根というところに来ている。 学会は今朝から始まっているが、私は懇親会に出るだけで、明日の朝講演をすることになっている。 頂いたお題は「東日大震災における天災と人災」というものだが、私を講師に指名して下さったということは、「人災」の構造についての分析だけのためとは思えない。 私が武道家としてこれまで考究してきたのは、天災であれ、人災であれ、「生きる力」を損なうものからどうやって身を守るか、ということである。 自然災害であれ、人間が発する邪悪な思念であれ、それが私たちの生物としての存在を脅かすものであれば、私たちはそれを無意識のうちに感知し、無意識のうちに回避する。 たしかにそのような力は私たち全員のうちに、萌芽的なかたちで存在する。 だが、それを計測機器を用いて計量し、外形的・数値的に「エビデンス」として示すこと

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    tikani_nemuru_M 2012/06/20
    この人も赤十字看護学会もエビデンスを舐めとるのだろうか? 「看護本来の機能である日常の営みからもたらされた数多くの工夫と創造による優れて看護的な技術」が患者のためになるならエビデンスとして出るわ!
  • 経済成長の終わりと贈与経済の始まりについて - 内田樹の研究室

    平松邦夫さんの新しい政治運動のためのシンポジウムがあった。 労働組合や既成政党が土台という「ふるい」タイプのムーブメントはもう賞味期限が切れていると思うけれど、それへのオルタナティブがみつからない。 「オルタナティブがみつからないで困ったよ」という全員の困惑がはっきり前面に出ていたという点で、私にはなんとなく新鮮であった。 平松さんの市長時代の最後のパーティは選挙応援のためのものだった。3000人くらい集まった集会で、たいへんな熱気だったけれど、労組、政党、業界団体が集票マシンになるという、「ふるいタイプ」の集まりだった。こういうやり方では変化の激しい時代には対応がむずかしいだろうという気がした。 そのときよりはるかに人数は減っていたけれど、昨日のシンポジウムでは明らかに「みんな戸惑っていた」。 これはよい徴候だろうと私は思った。 戸惑うときには、しっかり戸惑った方がいい。 今までのやり方

    tikani_nemuru_M
    tikani_nemuru_M 2012/04/08
    神も信じず、コミュニティも崩壊した状況で「贈与経済」が回るかな? なんらかの規範なしに贈与経済が回るとは思えん。そして、規範は何らかの意味で必ず抑圧ではある。
  • 情報リテラシーについて - 内田樹の研究室

    朝日新聞の「紙面批評」に書いたものを再録する。 長すぎたので、紙では数行削られているが、これがオリジナル。 「情報格差社会」 情報格差が拡大している。一方に良質の情報を選択的に豊かに享受している「情報貴族」階層がおり、他方に良質な情報とジャンクな情報が区別できない「情報難民」階層がいる。その格差は急速に拡大しつつあり、悪くするとある種の「情報の無政府状態」が出現しかねないという予感がする。このような事態が出来した理由について考えたい。 少し前まで、朝日、読売、毎日などの全国紙が総計数千万人の読者を誇っていた時代、情報資源の分配は「一億総中流」的であった。市民たちは右から左までのいずれかの全国紙の社説に自分の意見に近い言説を見いだすことができた。国民の過半が「なんとか折り合いのつく範囲」のオピニオンのうちに収まっていたのである。これは世界史的に見ても、かなり希有な事例ではないかと思う。 欧

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    tikani_nemuru_M 2011/09/17
    これを単にメタ賛美と読んでしまっていいかどうか/あと、自己言及性に言及してしまうことを冗長といってしまっていいかどうか。
  • バトラー賛江 - 内田樹の研究室

    冬休み二日目。 順調に仕事をしている。 『女は何を欲望するか』を新書化(文庫化と書いたけれど、それはマチガイ)に際して、大胆な加筆訂正を行っているのである。 あまりに大胆にリライトしているので、もはや原著の痕跡をとどめぬほどである。 であるからこれから先私の著書からの引用をなされる場合は、同タイトルの著書であっても、内容が全然違う(場合によっては言っていることが逆さま)ということがしばしばあるのでご留意願いたいと思う。 『女は何を欲望するか』は2002年の刊行であり、すでに6年近く前。そこに収録された論考にはそれよりさらに数年前に書かれたものもあり、ものによっては10年を閲している。 そのようなものを読んで、私が「なるほどなるほど、ご説の通りであるよ」と悦に入っていたのでは、この10年間に私が人間的成長というものをまるで遂げていないということになる。 やはりここは、一行ごとに「ああ、恥ずか

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    tikani_nemuru_M 2011/08/19
    「私はフェミニズムが支配的なイデオロギーになることに対しては一貫して反対してきた」って、フェミニズムってイデオロギーじゃねえと思うんだけど・・・。視点の置き方とか、覚悟の有無とか、いうとそっちっすよ。
  • アカデミアと親密性 - 内田樹の研究室

    私大連のヒアリングがある。 飯学長と二人で、いろいろと大学経営についてのご質問を受ける。 聴き手は広島女学院大学の今田寛学長と私大連の職員お二人。 私大連加盟大学のうち、「地方」にある、「学年定員800人以下」の大学はどこも志願者確保に苦戦している。 加えて「ミッション系」の「女子大」の状況はさらに厳しい。 その中できわめて例外的に志願者確保に成功している大学がいくつかある。 学もその一つである。 定員管理が「入学者が多すぎる」というかたちで失敗するというのは、志願者確保に苦労している大学からは「贅沢な悩み」だと言われる。 「どうして、これほど悪い条件が揃っているにもかかわらず、志願者を集めることができているのか」を調べて「成功の秘密」を検知するという趣旨のヒアリングなのである。 改めて訊かれると、さあ・・・どうしてなんでしょうねと学長と顔を見合わせてしまう。 立地条件が特によいわけでは

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