タグ

ブックマーク / gnabikes.hatenablog.com (13)

  • 井筒俊彦『神秘哲学』を読む #1 - sekibang 1.0

    神秘哲学―ギリシアの部posted with amazlet at 10.12.30井筒 俊彦 慶應義塾大学出版会 売り上げランキング: 130301 Amazon.co.jp で詳細を見る 慶應義塾大学出版会よりようやく井筒俊彦の『神秘哲学 ギリシアの部』が復刊されました! ホントはたしか今年の7月に刊行される予定だったんですよね。約半年遅れのリリースの裏側には何があったか分かりませんが、年内に手に入って嬉しい。早速読み始めました……が、これはなかなか手ごわいでして、ちょっと読みにくいところがあります。何しろ、最初に出版されたのは1949年ですから約半世紀前の格調高い日語となっており、新かな遣いが採用され、漢字も新字体となっていながらも、おそらくフォントが存在する漢字についてはママとなっていて、見たことがない漢字がちょいちょい出てくる。内容はやはり『意識と質』を書いた大先生の仕事

    井筒俊彦『神秘哲学』を読む #1 - sekibang 1.0
  • アンソニー・グラフトン『カルダーノのコスモス ルネサンスの占星術師』 - 「石版!」

    カルダーノのコスモス―ルネサンスの占星術師posted with amazlet at 10.04.21アンソニー・グラフトン 勁草書房 売り上げランキング: 88028 Amazon.co.jp で詳細を見る 16世紀ルネサンス期のイタリアに生きたジロラモ・カルダーノは医者であり、数学者であり、哲学者であり、占星術師だった。医学と数学、哲学は今でも立派な学問として(哲学はそうでもないか?)通用するジャンルだが、ここに占星術が入ってくると少し不思議な感じがするかもしれない。なぜ学者が占星術――ものすごく簡単にいうと星占い、だ――を? しかし、カルダーノにとっては医学と占星術は密接に関係するものだった。人間の健康は、星の動きに多大な影響を受ける。ゆえに、天文学を経由して星の動きを学ぶことは、人間の身体を癒す術を学ぶことだったのだ。だからカルダーノの多彩な活動は「ルネサンス的な万能人」と単に思

    アンソニー・グラフトン『カルダーノのコスモス ルネサンスの占星術師』 - 「石版!」
    tikani_nemuru_M
    tikani_nemuru_M 2010/04/22
    医療占星術は18世紀まで正統医学として大学で教えられていたくらいだからね。マクロコスモス(天体の運行)とミクロコスモス(個々人の運命)が照応するというのはオカルト的には当然のこと。
  • ルドルフ・シュタイナー『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』 - sekibang 1.0

    いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか (ちくま学芸文庫)posted with amazlet at 10.01.28ルドルフ シュタイナー 筑摩書房 売り上げランキング: 32823 Amazon.co.jp で詳細を見る 一般的には(?)「シュタイナー教育」で有名なルドルフ・シュタイナーの神智学・神秘学関連のがちくま学芸文庫から色々出ています。こんなものその手の話が好きな人(マジな人)か、物好きしか読まないと思うのですが、物好きなので一冊読んでみました。今、アマゾンのレビューをみてみたらあまりの絶賛ぶりに背筋がちょっぴり寒くなってしまいました。おそらくこちらはマジな人によるレビューなのでしょう。とはいえ、その絶賛ぶりは読み終えた後だとおかしくないように思えてくるのだから、シュタイナーという人は大変な人物だったのだなぁ、と思いました。面白かったです。 『いかにして超感覚的世界の認識

    ルドルフ・シュタイナー『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』 - sekibang 1.0
    tikani_nemuru_M
    tikani_nemuru_M 2010/01/29
    昔は国書刊行会でしか読めなかったのだが(感慨)/シュタイナーがもと所属していた神智学が、現在のカルト宗教やニューエイジの源流の主要なひとつであることは間違いないでしょう。
  • 『イェルサレムのアイヒマン』を読んでいる - sekibang 1.0

    イェルサレムのアイヒマン―悪の陳腐さについての報告posted with amazlet at 09.11.02ハンナ アーレント みすず書房 売り上げランキング: 206156 Amazon.co.jp で詳細を見る 積読してあったハンナ・アレントの『イェルサレムのアイヒマン』を読んでいます。これは二〇世紀の思想家が書いた著作のなかでも、特別に面白く、また切実な問題を取り上げられた名著であるなぁ……と読みながら漠然と考えてしまいますが、ホントに面白い。訳は結構硬いし(アレントの翻訳はいくつか読んでいますが、そのなかでもかなり硬い部類に感じられます。題材がアレントの専門である政治哲学よりもずっと現実的なのに……というギャップが問題なのかもしれませんが)、それなりに高価ななんだけど「読んだほうが良いよ(面白いから)」とオススメしたいですね。悪とはなにか、正義とはなにか、良心とはなにか……を

    『イェルサレムのアイヒマン』を読んでいる - sekibang 1.0
    tikani_nemuru_M
    tikani_nemuru_M 2009/11/03
    「俺はそんなに嫌いじゃないけど、みんなが結構嫌ってるみたいだから、やっぱり社会問題なんだよね。なんとかしないとね」こわいよー
  • ユルゲン・ハーバーマス『公共性の構造転換』を読む #5 - sekibang 1.0

    公共性の構造転換―市民社会の一カテゴリーについての探究posted with amazlet at 09.09.01ユルゲン ハーバーマス 未来社 売り上げランキング: 50630 Amazon.co.jp で詳細を見る 日は第五章「公共性の社会的構造変化」について。後半戦の始まりでございますが、いきなりネガティヴな情報からいきますと、この正直言って中盤から後半が結構読んでいてつまららない。『公共性の構造転換』といえば「コーヒー・ショップで……」云々といった第二章でのお話ばかりが引き合いに出されている、という印象がありますが、それも確かに頷けるところです。といいつつも、言っている内容については、そこまでつまらないというわけではありません。抽象的な話が続くので退屈なのですが、そこそこ面白いですよ。余談はこれぐらいにして第一六節「公共圏と私的領域との交錯傾向」に入っていきましょう。 何度か

    ユルゲン・ハーバーマス『公共性の構造転換』を読む #5 - sekibang 1.0
    tikani_nemuru_M
    tikani_nemuru_M 2009/09/30
    システムによる生活世界の植民地化が本格化するこのあたり
  • ユルゲン・ハーバーマス『公共性の構造転換』を読む #4 - sekibang 1.0

    公共性の構造転換―市民社会の一カテゴリーについての探究posted with amazlet at 09.09.01ユルゲン ハーバーマス 未来社 売り上げランキング: 50630 Amazon.co.jp で詳細を見る 日は第四章「市民的公共性 イデーとイデオロギー」について見てまいりましょう。この章は社会史の分析よりかは、思想史の分析に比重が置かれておりますので、これまでよりも若干堅苦しい感じがしますが(読んでいても読んだことのない哲学者の名前がいっぱい出てきて、ちょっとキツい……)お付き合いくださいませ。とりあえず、章のはじまりである第十二節に「この章ではこういう話をしますよ」というアナウンスがありますのでまるごと引用しておきます。 市民的公共性の機能の自己理解は、「公論」という論題の中で結晶した。もとより、これが一八世紀後期に明確な意義をうるまでにたどったその前史は長く、今までの

    ユルゲン・ハーバーマス『公共性の構造転換』を読む #4 - sekibang 1.0
    tikani_nemuru_M
    tikani_nemuru_M 2009/09/29
    「だんだんやる気がなくなってきたぜ!」まあ、そういわんで。応援しとりますで。
  • ユルゲン・ハーバーマス『公共性の構造転換』を読む #3 - sekibang 1.0

    公共性の構造転換―市民社会の一カテゴリーについての探究posted with amazlet at 09.09.01ユルゲン ハーバーマス 未来社 売り上げランキング: 50630 Amazon.co.jp で詳細を見る 日は第三章「公共性の政治的機能」について見ていきます。この章の内容は、タイトルどおりで「一七・一八世紀の社会において、市民的公共性はどのように政治的な機能を果たしていたか」、そして「どのようにしてそのような機能が可能となったのか」についての分析です。この章のはじまりである第八節「モデルケースとしてのイギリスにおける発展」では、ハーバーマスがヨーロッパでもっとも早く「政治的機能をもつ公共性(P.86)」が成立した国として評価しているイギリスの例がとりあげられています。すでに第二章で見たとおり、イギリス以外の国でも「文芸的公共性(フランスならサロン、ドイツでは読書サークル、

    ユルゲン・ハーバーマス『公共性の構造転換』を読む #3 - sekibang 1.0
    tikani_nemuru_M
    tikani_nemuru_M 2009/09/09
    なんとなくヘーゲルっぽいが、ヘーゲルの限界を意識しているハーバーマス
  • ユルゲン・ハーバーマス『公共性の構造転換』を読む #2 - sekibang 1.0

    公共性の構造転換―市民社会の一カテゴリーについての探究posted with amazlet at 09.09.01ユルゲン ハーバーマス 未来社 売り上げランキング: 50630 Amazon.co.jp で詳細を見る 日は第二章「公共性の社会構造」について見ていきます。前章まででハーバーマスは、さまざまな歴史的な変化によって、市民が生まれ、それが世論を形成するなどし「市民的公共性」が生まれてていく過程を確認しました。第二章の冒頭、第四節「基構図」では、その市民的公共性が、政府によって規制されてきた公共性(公権力の力)に対抗する生活圏であったことが強調されています(P.46)。これは、君主がいて、政府(あるいは議会)がいて、という二つの権力が存在したなかに、第三の身分(権力)として現れたものでした。 ただ、これらの第三の身分は、既存の身分が用意してくれたインフラがなければ、存在がしえ

    ユルゲン・ハーバーマス『公共性の構造転換』を読む #2 - sekibang 1.0
  • ユルゲン・ハーバーマス『公共性の構造転換』を読む #1 - sekibang 1.0

    公共性の構造転換―市民社会の一カテゴリーについての探究posted with amazlet at 09.09.01ユルゲン ハーバーマス 未来社 売り上げランキング: 50630 Amazon.co.jp で詳細を見る 今年八十歳になられたフランクフルト学派の長老、ユルゲン・ハーバーマスの代表作のひとつ、『公共性の構造転換(1962/1990)』を読んでいます。これが結構面白い。せっかくなので久しぶりに章ごとに分けて、自分なりのマトメをブログで連載してみたいと思います。興味がある方はお付き合いください(私のことを『マトメ亭』と読んでくださっても構いませんよ!)。ひとまず、これがどういった著作なのか『ハーバーマス―コミュニケーション行為 (現代思想の冒険者たちSelect)』の「主要著作ダイジェスト」から引用してみます。 この書のテーマは、市民的公共性の自由主義的モデルの成立と、社会(福祉

    ユルゲン・ハーバーマス『公共性の構造転換』を読む #1 - sekibang 1.0
    tikani_nemuru_M
    tikani_nemuru_M 2009/09/02
    詳細なまとめの1。ざっくりとしたまとめとしては http://d.hatena.ne.jp/My_Warehouse_Eyes/20090512/1242057897
  • 仲正昌樹『今こそアーレントを読み直す』 - sekibang 1.0

    今こそアーレントを読み直す (講談社現代新書)posted with amazlet at 09.06.19仲正 昌樹 講談社 売り上げランキング: 692 Amazon.co.jp で詳細を見る 風邪をひいていたので会社を休んで一日中ベッドのなかにいるあいだ、このを読んでいた*1。これは大変面白いだった。近年、各所で「生き生き思想」*2を批判しておられる仲正昌樹のアーレントに関する著作。 「分かりやすい」ことを売りにする「政治思想」(あるいは「政治思想研究」)は、勇ましく威勢がいいので、「政治」をスポーツやゲームのように敵/味方の勝ち負けの問題と考えているような人たちにはウケがいい。(中略)「社会的・経済的格差を是正し、各人の社会的生存権を実質的に保証する公正な社会システムを構築するための理論」とか、「グローバリゼーションに対抗し、国民国家としての伝統を保持する戦略に繋がる理論」とい

    仲正昌樹『今こそアーレントを読み直す』 - sekibang 1.0
    tikani_nemuru_M
    tikani_nemuru_M 2009/06/19
    弱者への共感が産み出すもの
  • 奥村隆『ジンメルのアンビヴァレンツ』 - sekibang 1.0

    奥村隆『ジンメルのアンビヴァレンツ』(PDF) 何気なしに学生時代の恩師が書いた論文を読んでみた。これはゲオルク・ジンメルのヴェーバーやデュルケム、そしてマルクスとはちがった社会の捉え方を検討したもの。こういった社会学についての文章を読むのはひさしぶりだったけれど、とても面白く読む。「個人に対し、社会が存在する」という構図ではなく、さまざまな要素が絡み合って、個人のように見える、あるいは社会のように見える(個人も、社会も確固たる実在性を持っているとは言えない)という議論をジンメルは提示し、そのような“見える化”を彼は「相互作用」という風に呼んだ。同語反復のようだけれど、この相互作用によってこそ、社会や個人が成立するのだ。奥村はこの観点を『エリアス・暴力への問い』で、ジンメルとエリアスの観点の類似について指摘する際に参照しているが、読んでいて思い出したのは馬場靖雄の『ルーマンの社会理論』であ

    奥村隆『ジンメルのアンビヴァレンツ』 - sekibang 1.0
  • スティーヴン・J・グールド『人間の測りまちがい――差別の科学史』 - sekibang 1.0

    人間の測りまちがい 上―差別の科学史 (1) (河出文庫 ク 8-1)posted with amazlet at 08.10.09スティーヴン J.グールド 河出書房新社 売り上げランキング: 129784 Amazon.co.jp で詳細を見る 人間の測りまちがい 下―差別の科学史 (2) (河出文庫 ク 8-2)posted with amazlet at 08.10.09スティーヴン J.グールド 河出書房新社 売り上げランキング: 131413 Amazon.co.jp で詳細を見る 2002年に没した、生物学者であり、科学史家、かつ優れた科学エッセイスト、スティーヴン・J・グールドの『人間の測りまちがい』を読み終える。タイトルと装丁からからものすごく難解ななのかと思っていたのだが(最近の河出文庫は表紙に使われてる写真がやけにカッコ良いのだが、それがどうにも難しそうなに見えて

    スティーヴン・J・グールド『人間の測りまちがい――差別の科学史』 - sekibang 1.0
  • 短編小説『ニコ』 - 「石版!」

    高貴にして澱んだ血統に生まれた誇り高き雑種犬、ニコが我が家にやってきたのは私が中学生の頃、地元にあった公立の進学校へ進もうと受験勉強を始めた春だった。それは今では犬猿の仲である私の弟がまだ小学5年生のときであり、弟が小学生らしい突然の思いつきで「犬が飼いたい」などと言い出したために、その思いつきにまんまと乗せられてしまった母親が同僚の家で生まれたニコを貰い受けてきたのだ。 「犬など貰ってきても、こいつはすぐに世話をしなくなるに決まっている」。私は弟の飽きっぽさを両親以上に見抜いていたため、当初仔犬を貰ってくることに強く反対していた。しかし、古くなった毛布が敷かれた段ボール箱に入って我が家へと連れられてきた仔犬を見た瞬間に私は、その愛らしさに思わず心を打たれてしまっていたのだった。生後4週間だという仔犬は眠っている時間のほう多く瞼はまるで世界が眩しすぎるかのように閉じがちだったが、ときどき目

    短編小説『ニコ』 - 「石版!」
    tikani_nemuru_M
    tikani_nemuru_M 2008/09/06
    これは読ませますね
  • 1