昨年2020年に40周年を迎えたカシオの電子楽器。今年、そのカシオが久しぶりに新方式音源システムの研究開発に向けて動き出しているようですが、そこに向けてまずは過去を振り返ってみようという連載の2回目。前回は「デジタルシンセの夜明け、1980年発売の『カシオトーン201』に搭載された画期的アイディア、子音・母音音源システム」という記事で、子音・母音音源システムについて紹介しましたが、今回は1984年に発売されたCZ-101に使われたPD音源システムについて見ていきます。 1980年代、各社しのぎを削って特許戦争も熱気を帯び始めたころ、アナログシンセサイザを構成する各モジュールのデジタル化を進めていたカシオ。MOOG博士が作り上げたVCO VCF VCAを鍵盤やエンベロープ、LFOで制御する、アナログシンセサイザの超定番方式を元に、現代のデジタルシンセサイザにも繋がる基礎を作っていった状況につ