■68人死亡 マナー徹底呼びかけ 鹿島灘の沖合に延びる危険な鹿島港南防波堤(通称・南堤)=神栖市=への侵入者が後を絶たない。全長約4キロの南堤は高波をかぶり危ないため立ち入り禁止区域となっているが、「釣りの穴場」として知られており、これまでに侵入者68人が波にのまれるなどして死亡。無謀な“太公望”が増える夏を前に、鹿島海上保安署などは警戒を強めている。 今月10日夕、南堤で行われた鹿島海上保安署と県鹿島港湾事務所による合同パトロール。第1ゲートの鍵を開け、車で約500メートル進むと、堤防脇に重ねられた消波ブロックに乗って釣りをする人の姿があった。 この日は5人前後が南堤に侵入。海保署員が警告すると、渋々と去っていった。「自分は大丈夫と思っているのだろうが、足を滑らせて海に落ちたら上がって来られない」と鹿島海上保安署の福田秀市地域防災対策官は警鐘を鳴らす。 南堤は昭和38年に着工。幅