<炉心下に残る燃料デブリが再びくすぶりはじめている......> 史上最悪の原発事故から35年が経ったチェルノブイリで、再び事故の懸念が浮上している。事故後の施設を監視している科学者たちが、中性子線量モニターの数値が上昇していることを確認した。 以前からいくつかのスポットで数値は上昇傾向にあった。今回問題となったのは反応炉の下方にあたる「原子炉下部区画305/2」と呼ばれる空間で、過去4年間で数値が2倍近くにまで増加していることが判明した。中性子線量の増加は、核分裂が加速していることを示す兆候だと考えられている。 事故当時の炉心溶融により、ウラン燃料、被覆材、制御棒、建造物の一部などが溶け込み、溶岩状の「燃料デブリ」となって原子炉下の階層に流れ込んだ。今も下部区画には燃料デブリが残っており、含まれるウラン燃料の量は170トンに相当すると見積もられている。 英インディペンデント紙は再びくすぶ