指定の灰色ジャージーを着たウイグル人男性(24)は、入所のきっかけをそう振り返った。記者を前にした緊張からか、表情は硬い。 中国・新疆ウイグル自治区カシュガル地区の「疏勒県職業技能教育訓練センター」。中国政府がウイグル族などがイスラム教の過激思想に染まるのを防ぐためだとして、各地に設置する施設の一つだ。 だが、それらの施設をめぐっては、虐待や拷問など深刻な人権侵害が行われているとの疑いを国際人権団体や米国政府などが指摘している。 男性のセンターでの生活は9カ月目に入ったという。告白は続いた。 「友人や家族にも『国家に従うな』と強要した。過激思想に染まっている自分には気づかなかった」 センターへ行くよう男性に促したのは、地元の共産党幹部だった。「本来、刑を受けなければならないが、施設に入れば免除される」。そう諭され、入所の申請書類にサインしたのだという。 「強制された」のかと問うと、男性はつ
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