皆さん「日本郵船 氷川丸(以下、氷川丸)」をご存じでしょうか。横浜・山下公園から見えるあの大きい船。実物、あるいはテレビや雑誌などで一度は目にしたこと、聞いたことがあるでしょう。 横浜港の特設桟橋に係留保存されている氷川丸 氷川丸は1930年(昭和5年)に、横浜船渠(せんきょ)で竣工(しゅんこう)された日本郵船の貨客船です。横浜船渠は今の三菱重工業 横浜製作所に当たります。全長163.3メートル、総トン数1万1622トン、船速18.38ノットと、当時としては日本郵船 浅間丸型(1927年竣工、全長170.68メートル、総トン数1万6947トン、船速18ノット)に次ぐ大型客船として、日本の主要港と北米シアトルを結ぶ航路に就航しました。そして、太平洋戦争が始まる直前の1941年11月に海軍の病院船として従軍。触雷(機雷に触れてしまうこと)で3度も被害を受けたものの、沈没することなく生き残りまし