北海道内で海外資本による私有林の買収が相次いでいるとして、ニセコ町は、水源地域にある地元の私有林の買収に乗り出すとともに、地下水利用や森林伐採などの開発を規制する条例を制定する方針を固めた。 町によると、中国やオーストラリアなどの企業や個人に買収された町内の私有林や原野は2008〜09年に約17ヘクタール。羊蹄山のふもとにある観光地・ニセコ東山温泉やスキー場付近など7か所となっている。町内の上水道はほぼ地下水に頼っており、開発による森林伐採や地下水の過剰なくみ上げなどによる影響が懸念されている。 生活用水などを安定的に供給する「水ビジネス」が国際的に脚光を浴びる中、町は「良質な水資源を先行確保しようとする動きではないか」と警戒し、独自の対抗策を打ち出す必要があると判断。町内11か所の水道水源地のうち、私有地の2か所などを買い取る考え。また、町内全域で地下水のくみ上げを制限する地下水保全条例