鳥取県三朝(みささ)町で今年4月、原生林地を「中国の会社が買収した」という情報が駆けめぐった。 対象地は三朝温泉郷から車で10分ほどで、立地条件は良好だ。森へ分け入ると、高さ2メートルほどの滝がザーザーと音を鳴らし、豊富な水があることがうかがえる。 地元関係者によると、この林地の所有者は、鳥取市内の不動産業者。1年ほど前から売りに出されたが、買い手がつかなかった。業者は今年、中国人と組んで上海に事務所を設立、販路を中国へ拡大しようとしているという。 業者は売買情報を否定しつつ、憤慨(ふんがい)した。「私どもがどこで何を売ろうが、批判される筋合いはない。県や国の許認可を受けて開発することだ。うわさが一人歩きして困るが、たとえ中国人が買ったとして、何が悪いのか」 だが、地元周辺は過敏になっている。三朝町で森林の自然保護に携わる団体の代表は「大事な水源地であり、中国人が買うことで、どういう影響が