世界中でバッタが猛威を振るっている。アフリカや南西アジアではサバクトビバッタが、南米ではミナミアメリカバッタが大発生。国連食糧農業機関(FAO)によると、サバクトビバッタの被害で4200万人が食料危機にひんしている。世界のバッタに詳しい元・蚕糸・昆虫農業技術研究所の田中誠二氏は「日本へ飛来してくる可能性は低いとみているが、南米で被害が拡大すれば、穀物などの輸入ができなくなる可能性もある」と指摘する。 サバクトビバッタはアフリカ北部や中近東、南西アジアなど乾燥地域に生息する。2018年にサイクロンによる大雨が続き、餌となる草が増えてバッタが増殖した。ケニアでは70年ぶりの大発生になった。 餌を求めて近隣の国へ移動する。風に乗って150キロ以上を飛行することもある。南西アジアではネパールのヒマラヤ山脈の麓まで到着した。夏の繁殖に向け、成虫の群れがインドとパキスタンの国境付近に移動している。 各