国内に広く生息するカメムシの一種「クロヒョウタンカスミカメ」を農作物の害虫駆除に利用する方法の開発に、高知大農学部の荒川良教授(天敵昆虫学)らの研究グループが取り組んでいる。 複数の農家で行われた実証試験でも成果が証明され、農林水産省に農薬として登録を申請中。新たな「生物農薬」としての期待が高まっている。 研究の発端は5年前、ナスやピーマンを栽培する複数の高知県内の農家から荒川教授に、「タバココナジラミ」という害虫の発生で困っているとの相談が寄せられたのがきっかけ。 タバココナジラミの幼虫は、ナスやピーマンの葉を食い荒らすほか、農作物への感染ウイルスを媒介する恐れもある。殺虫剤に対する抵抗力が強いため、決定的な駆除法がなく、対応を迫られていた。 荒川教授のグループも研究に乗り出したが、学生が、大学内のビニールハウスでクロヒョウタンカスミカメがタバココナジラミの幼虫や卵を捕食しているの発見。