ノーベル賞まで受賞した高名な研究者が一方当事者となっている「オプジーボ」特許問題が広く世に知られたことで、古くて新しい「産学連携っていろいろ難しいな」という問題を改めて認識した知財担当者の方も多いのではないかと思う。 k-houmu-sensi2005.hatenablog.com この問題の行く末(訴訟事件化するかどうかも含めて)を今見通すことは非常に難しいのだが、そんな時、九州発の事件の判決が裁判所のWebサイトに掲載された。 事業化が爆発的に成功した「オプジーボ」とは真逆の展開になったがゆえに紛争化してしまった事案ではあるのだが、企業実務者としてもいろいろと考えさせられるところが多い事件だけに、以下、少しかいつまんでご紹介させていただくことにしたい。 大阪地判令和元年7月4日(H29(ワ)第3973号)*1 原告:株式会社アイエスティー 被告:ハリマ化成株式会社 当事者の見た目上は「