インバウンド(訪日外国人)による「爆買い」終了で、老舗百貨店の三越伊勢丹ホールディングス(HD)が苦境に立たされている。衣料品や宝飾品の販売も振るわず、三越千葉店(千葉市)、三越多摩センター店(東京都多摩市)の閉店に続き、地方4店の縮小を検討。ついに屋台骨の三越日本橋本店、三越銀座店(いずれも同中央区)、伊勢丹新宿本店(同新宿区)の旗艦3店でも客離れを招いている。 ◇ ◆中計目標2年先送り 「今のビジネスモデルで良いとは思っていない」 三越伊勢丹HDの大西洋社長は8日に東京都内で開いた9月中間の決算会見で、マイクを使っても、聞き取りにくいほど小さな声で力なく、こう語った。 中間決算の発表の場にもかかわらず、この日は2018年度に目指していた営業利益500億円の中期経営計画目標を2年先送りすることを明らかにした。 要因の一つは爆買いの終了だ。円高や中国政府による輸入品の関税引き上