【台北=源一秀】台湾の馬英九総統は15日、中国人の台湾個人観光が今月中に解禁されるのを前に、公的機関のウェブサイトや配布文書から中国式の簡体字版を排除し、台湾で使われる伝統的な繁体字版で統一するよう異例の通達を出した。 中国からの人の流れの活発化で簡体字が台湾で通用するようになれば、伝統的漢字が失われかねないとの危機感がある。 中国では元来、台湾と同じく繁体字が使われていたが、1964年までに簡体字が確立したため、中台相互で漢字が理解しづらい状況が生まれた。このため、相手への便宜を図るため、ウェブサイトや文書は官民を問わず、両方の字体で編集するのが中台で一般化している。 馬総統は、2008年の就任前から「繁体字は中華文化の象徴だ」と強調。繁体字を世界遺産に登録すべきだと主張するなど、愛着心が強い。 台湾当局は15日、交通部観光局のサイトから簡体字のページを削除。また、14日には、レストラン