豪華列車でぜいたくな旅を楽しめる「クルーズトレイン」が今秋以降、日本にも登場する。JR九州が10月15日から運行を始める豪華寝台列車「ななつ星in九州」は、来年3月まで予約で満席。その好調ぶりに、JR東日本やJR西日本も相次いで豪華列車を導入する方針だ。利用客の中心は団塊世代などの富裕層で、将来は訪日外国人観光客の取り込みも狙う。 「豪華客船で得られる出会いが列車であってもいいと考えた」。九州各地を周遊するななつ星を発案したJR九州の唐池恒二社長はこう胸を張る。 イメージしたのは、往年の名優、ケーリー・グラントとデボラ・カーが主演した米映画「めぐり逢い」(1957年制作)。豪華客船で出会った2人が、再会を約束しながら、不慮の事故で会えずに終わる悲恋を描いた作品だ。 ななつ星の場合、ラウンジ車、食堂車を含めた7両編成で製造費は30億円と新幹線並みの費用をかけた。客室にはシャワー・トイレも完備