現在主流のリチウムイオン電池の電解質は可燃性の有機溶媒であり、漏出や過熱などの安定性に課題を抱えている。電解質を固体材料に置き換える全固体電池は、これらの課題を解決し得るとして期待が高まっているが、その実現には、有機電解質以上のイオン伝導体が必要。菅野教授らの研究グループは2011年に発見した有機溶媒系に匹敵する超イオン伝導体Li10GeP2S12を足掛かりに、新にLi9.54Si1.74P1.44S11.7Cl0.3など二つの有望物質を発見。これを使った全固体電池はリチウムイオン電池を上回る次世代電池になりうることを確認した。 ―― 今回、念願の材料を手にしたということですね。 菅野氏: 我々は試行錯誤を繰り返しながら物質探索を続け、2011年には、イオン伝導率が有機電解質に匹敵するセラミックス材料Li10GeP2S12(LGPS=リチウム・ゲルマニウム・リン・硫黄)を開発しました1。た
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