◇備忘録を追加収録 中国東北部のハルビンで細菌兵器の研究を目的に人体実験をしていた旧日本軍731部隊の元隊員らの証言集「731部隊の真実」の改訂版が9日、発刊された。1995年の初版で仮名だった県内出身の元隊員5人が実名を明かした。5人の備忘録や別の元隊員の証言も追加収録した。 発行者は、労組や聞き取りを続ける有志らでつくる「731部隊の証言を残す岩手の会」。事務局の佐々木徹さんは「加害の事実にも目を背けず、読んでほしい」と話す。 元隊員は95年当時、中国人や朝鮮人のマルタ(実験体)を麻酔をかけず解剖したり、ペスト菌を注射したりといった実態を語った。だが、証言の内容が残虐で、箝口(かんこう)令が敷かれていたため、仮名希望の元隊員が多かった。刊行後、元少年隊1期生だった花巻市の鎌田信雄さん=故人=らが実名で体験を語るようになり、同会の高橋龍児さんが全員から実名公表の許可を得た。 改訂版は50