「安いモノより安くなったモノを人は買う」というのは持論なのだけれど、円高差益還元というのもよい事例だなと思う。まず基本的な考え方として、人は「安い」という情報だけを見たときには、手抜きを推測し、品質を疑う。その安さが、品質と関連しているものなのかどうか、それを考える。だから円高差益還元の場合、「円高だからなのか、じゃあ品質に関係ないな、お得だな」と思って客が安心して買うのである。むろん、もともと客がその商品に関して相場観を持っていれば絶対判断ができる。安さに基づいてたくさんの人(≒詳しくない人たち)を集めたいと思うのならば、安さという情報に加えて、それが品質とは関係ないという情報を加えなければいけない。なんにもないよりは、「間違えてヒトケタ多く入荷しちゃいました」のほうがずっといい。