イザベラ・バードの日本奥地紀行 (平凡社ライブラリー) 今から130年前の1878年(明治11年)に英国人女性イザベラ・バードが日本列島を旅した。彼女が歩いて、見て、聞いて、記録した「日本」を、それから約100年後の今から約30年前に宮本常一が解説した。その「日本」は、私にとってほとんど見知らぬ国である。時代が時代なんだから、当たり前だ、と思う一方で、それにしても、その間の変化はあまりにも急激で、それによって得られたものの陰で失われたものの大きさを思うと非常に複雑な気持ちになる。 「イザベラ・バードの『日本奥地紀行』を読む」平凡社ライブラリー 133頁 例えば、この挿絵に描かれたものは一体何だろう? これは、イザベラ・バードが「これほど哀れにも心を打つものを見たことがない」と記録し、宮本常一が「とにかく通りかかった人たちの慈悲によって一つの霊が浮かばれるようにという行事なのです。このような