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ブックマーク / blog.goo.ne.jp/ikedanobuo (14)

  • 保育バウチャーで待機児童をなくせ - 池田信夫 blog

    鈴木亘氏が、80万人に及ぶといわれる待機児童の問題を「フォーサイト」で論じている。大竹文雄氏の要約を借りると、その論旨は保育所の数を増やすことは保育所間の競争を激化させ収益の悪化要因になるので、認可保育所にとっては、参入を少なくして待機児童が多い状態にしておく方が望ましい。そのため、既得権をもった保育所業界は、族議員と厚生労働省を使って、保育所の参入規制の緩和を骨抜きにしてきたという。この問題の解消方法として、鈴木氏は「子ども手当」を保育・教育バウチャーにして、無認可保育所にも切符の受け取りを許...

  • ソニーよ”普通の会社”にまで堕ちてどうする! - 池田信夫 blog

    ソニーの元幹部が書いたとされる怪文書がネット上を回遊して、話題になっている。私のところにも全文が手に入った。これは「M元副社長がK誌に書いた原稿を広報が止めた」ということになっているが、ソニーの広報はその事実を否定している。真偽のほどは定かではないが、内容は怪文書とは思えないしっかりしたものなので、一部を引用しておこう。かつてないほどの業績悪化から立ち直るためにストリンガー会長兼社長に権限を集中して迅速な経営が可能な体制とした。 ソニーはこういっているのですが、かつて同社に在職してウォークマン始め各種製品の開発に関わり、さらには副社長まで務めさせてもらった私としては納得がいかないことばかりなのです。 まず最初の疑問は、なんといっても「なぜストリンガー会長・社長なのか?」です。 日の企業だから外人トップは不要だといった偏狭な発想ではありません。 ストリンガー氏は、米国の放送局CBSに30

  • 上半期の経済書ベスト10 - 池田信夫 blog

    週刊東洋経済の恒例のリストの8位に、めでたく池・池が入った。いまこそ、ケインズとシュンペーターに学べ アニマルスピリット 戦後世界経済史 だまされないための年金・医療・介護入門 ブラック・スワン 世界恐慌と経済政策 金融危機の経済学 なぜ世界は不況に陥ったのか 金融革新と市場危機 誰から取り、誰に与えるか1は連載記事をまとめたもので、ケインズとシュンペーターの議論がばらばらに紹介されていて焦点が定まらない。あとはほとんど当ブログで紹介しただが、6は世界恐慌のときの日の政策対応を数量経済史の...

  • ユニクロは日本を滅ぼすか - 池田信夫 blog

    今月の『文藝春秋』に出ている浜矩子氏の「ユニクロ栄えて国滅ぶ」という原稿が話題を呼んでいる。日経済のスーパースターと目されるユニクロが日経済を滅ぼすと主張しているので、私も見出しに引かれて読んでみたが、唖然とした。彼女はこう書く:この過激なまでの安売り競争は、さらに一段の不況地獄の先触れではないだろうか。少し落ち着いて考えてみればいい。250円の弁当で1すませる生活が当たり前になれば、まともな値段の弁当や事は「高すぎる」ということになってしまう。(強調は原文)もう少し落ち着いて考えてみよう。「まともな」値段とは何だろうか。浜氏は原価に「適正利潤」を乗せた価格を想定しているようだが、これは誤りである。少なくとも経済学でいうまともな価格(均衡価格)は、限界費用と等しい水準であり、利潤はゼロになることが効率的なのだ。そういう競争をしたら「経済がどんどん縮小してゆき、デフレの悪循環に陥って

  • 何も破壊しない日本が破壊される - 池田信夫 blog

    最近ブログ界では日に見切りをつける話が流行しているが、Economist誌も日には匙を投げたようだ(要約はいつもの通り適当):日はながく業界を守る「護送船団行政」を続けてきたが、今回も史上最大のバラマキによってそれを続けようとしている。欧米諸国でも似たような政策は行なわれているが、それは例外であり、きびしい批判にさらされている。しかし日では、税金を「ゾンビ企業」に資注入することが当たり前のように受け入れられている。 これはきわめて有害である。日には、利益の出ない会社が多すぎる。たとえば携帯電話メーカーは8社もあり、そのほとんどは赤字だ。こういう企業は自分の首をしめているだけでなく、貴重な資と人材を浪費しているのだ。おかげで日企業のROEはアメリカの半分しかない。 この大不況にあっても、日企業の廃業率は英米の半分しかなく、倒産は15%しか増えないと予想されている。欧州で

  • 何もすることのない老人たち - 池田信夫 blog

    きのうの記事で少し定年制についてふれたので、補足しておこう。私がサラリーマンをやめた一つの原因は、日のサラリーマンのほとんどは年をとると何もすることがなくなるからだ。取締役(NHKでは理事)になるごく一部の人は超多忙になるが、それ以外は50過ぎると極端に暇になる。先週、内示されたNHKの人事異動では、私の同期の出世頭は東京のセンター長だが、あとはみんな地方の局長や関連団体の窓際ポストなどのノンワーキング・リッチだ。 マスコミ志望の学生は、NHKというと東京の放送センターでかっこいい仕事をすると思っているだろうが、ディレクター(PD)の勤務年数のほぼ半分が地方局、アナウンサーは5/6が地方勤務だ。特に50過ぎると地方から地方への転勤が多くなり、管理職の半分以上は単身赴任である。定年は60歳だが、このごろは関連団体の合理化で天下りポストが減り、東京の局長経験者以上しかポストはないようだ。そ

  • 梅田望夫氏の開き直り - 池田信夫 blog

    梅田氏のインタビューが、あちこちで話題になっている。私が一番ひっかかったのは、次の部分だ:ただ、素晴らしい能力の増幅器たるネットが、サブカルチャー領域以外ではほとんど使わ[れ]ない、“上の人”が隠れて表に出てこない、という日の現実に対して残念だという思いはあります。そういうところは英語圏との違いがものすごく大きく、僕の目にはそこがクローズアップされて見えてしまうんです。この「残念」な状況を作り出した大きな原因は、はてなである。梅田氏が「バカなコメントが多い」といったように、匿名による悪罵が「上の人」を萎縮させて、日のウェブのレベルを下げているのだ。その結果、アメリカのブログは著名人が既存メディアの枠を超えてリアルタイムで議論する場になり、大手メディアに対抗する存在になりつつあるのに、彼も嘆くように日のブログはますます劣化している。 私は、これは「日文化」だとは思わない。それは戦

  • 偽の希望を売り歩く人々 - 池田信夫 blog

    不況についてのはたくさん出ているが、だめなを見分ける方法は簡単だ。他人に「市場原理主義」とか「清算主義」などという無内容なレッテルを貼るは、読まないほうがいい。書は山口二郎氏の主催した北大のシンポジウムの記録だが、「新自由主義」攻撃の大合唱だ(もちろんリンクは張ってない)。 山口氏は一応、政治学者だろう。小泉元首相が「私は新自由主義者です」といったことは一度もないのに、こういうレッテルを一方的に貼って「小泉・竹中の新自由主義が格差を生んだ」などと何の根拠もなく攻撃するのは、学者として恥ずかしくないか。この種のレトリックは「修正主義」とか「極左冒険主義」のように社会主義国で相手を攻撃するために使われたもので、このシンポジウムの一方的なつるし上げもスターリン裁判を思わせる。 雨宮処凜氏や湯浅誠氏の列挙する非正規労働者の悲惨な実態は、その通りなのだろう。しかし「ハケンがかわいそうだ」

  • なぜ世界は不況に陥ったのか - 池田信夫 blog

    池尾和人・池田信夫『なぜ世界は不況に陥ったのか 集中講義・金融危機と経済学』(日経BP社、2/26刊)の第1講「アメリカ金融危機の深化と拡大」の一部をPodcastで紹介する(各10分):サブプライムローン問題 全面的な信用危機への拡大 リーマン・ブラザーズの破綻以降世の中にはパニックをあおる「大恐慌」がたくさん出ているが、書はそういう類書とは一線を画し、1960年代から歴史をさかのぼり、経済学の理論を使って現在の危機が発生したメカニズムを分析するものだ。基的には、池尾さんの講義を私が聞...

  • 正社員はなぜ保護されるのか - 池田信夫 blog

    雇用問題は身近で切実なので、アクセスもコメントも多い。経済誌の記者はみんな「池田さんの話は経営者の意見と同じだが、彼らは絶対に公の場で『解雇規制を撤廃しろ』とはいわない」という。そういうことを公言したのは城繁幸氏と辻広雅文氏と私ぐらいだろうが、辻広氏のコラムにも猛烈な抗議があったという。 解雇規制が労働市場を硬直化させて格差を生んでいることは、OECDもいうように経済学の常識だが、それを変えることが政治的に困難なのも常識だ。これは日だけではなく、フランスのようにわずかな規制緩和でも暴動が起きてしまう。人々は「雇用コストが下がれば雇用が増える」という論理ではなく「労働者をクビにするのはかわいそうだ」という感情で動くからだ。 正社員と非正規社員の格差も、世界的にみられる現象である。これは原理的には、効率賃金仮説で説明できる。企業(プリンシパル)と労働者(エージェント)に情報の非対称性があ

  • 今年のベスト10(本) - 池田信夫 blog

    今年も(半分は仕事で半分は趣味で)たくさん書評を書いた。週刊ダイヤモンドの書評は、まもなく10周年だ。当ブログのBooksカテゴリーにも、この記事を含めてちょうど100の記事がある。ここで取り上げたのは必ずしも買うことをおすすめするではなく、読んではいけないにはリンクを張っていない。左側の欄からリンクを張ったは★★★★☆以上なので、買っても損はないと思う。その中から10冊を選ぶと、When Markets Collide The Venturesome Economy 市場リスク 暴落は必然か まぐれ The Illusions of Entrepreneurship テロと救済の原理主義 CIA秘録 Against Intellectual Monopoly 生政治の誕生 暴走する資主義今年のテーマは何といってもサブプライム危機あらため世界同時不況だが、最近の

  • 「ぶら下がり」なんていらない - 池田信夫 blog

    麻生首相の「夜の豪遊」をめぐるぶら下がりが笑える。記者 夜の会合に連日行っていて、一晩で何万もするような高級店に行っているが、それは庶民の感覚とはかけ離れていると思う。首相はどのように考えるか。 首相 庶民っていう定義を使うのが北海道新聞よく使われるのですか。僕は少なくともこれまでホテルというものが一番多いと思いますけども。あなたは今、高級料亭、毎晩みたいな話で作り替えてますけど、それは違うだろうが。 記者 あの高級… 首相 そういう引っかけるような言い方やめろって。経済危機の最中に、首相が1日2回もこんな下らない話をするのは時間の無駄だ。そもそも、なぜあれを「ぶら下がり」というのか知らない読者も多いだろう。もとは首相が官邸から国会まで歩く間に記者団が文字どおりぶら下がって聞いていたのだが、カメラマンが転んだりする事故が絶えなかったので、小泉首相が「ぶら下がりには答えない」という方針

  • B-CASの違法性について - 池田信夫 blog

    ASCII.jpの記事について各社から問い合わせがあったので、補足しておく。情報源は明かせないが、この内容は一次情報にもとづくものである。AV Watchの記事でも、「B-CAS見直しについては、法律などによる著作権保護の制度エンフォースメントについても議論されていたが、村井委員長は技術と契約によるエンフォースメントを基としながら、見直しを図っていく方針を示した」と書かれている。「霞ヶ関文学」独特のわかりにくい表現だが、「著作権保護のエンフォースメント」とはダビング10のことだ。 B-CASは来の限定受信システムとしてではなく、コピー制御に使われる末転倒になっている。コピー制御のためなら視聴者の個人情報をコントロールするB-CASは必要ないが、B-CASによる暗号化をやめると、コピー制御信号が無視できるようになる。このためダビング10を法的に義務づけてほしい、というのが放送業界の要

  • 日本をダメにした10の裁判 - 池田信夫 blog

    書は30代の法律家4人の共著で、としての完成度は高くないし、内容も常識的な話が多い。しかし若い法律家に、このように法律や裁判を経済合理性の観点から批判する(いい意味での)常識をわきまえた人々が出てきたことは、日の法曹界にも少し希望を抱かせる。 特に第1章で、解雇権濫用法理を「合成の誤謬」という経済学用語で説明している論理は、当ブログの記事とそっくりだが、重要な問題なのであらためて紹介しておこう。これは東洋酸素事件の東京高裁判決(1979)で示された、次のような整理解雇の要件である:事業の閉鎖:事業部門を閉鎖することが企業の合理的運営上やむを得ない場合であること解雇しかない:従業員を他の事業部門の同一又は類似職種に充当する余地がないこと手続きの公平:具体的な解雇対象者の選定が客観的、合理的な基準に基づくものであることこれに労働組合との協議を加えて「4要件」とする場合が多いが、労使協議

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