大統領の広島訪問を提案した74年9月16日付の文書=米ミシガン州アンアーバーのフォード大統領図書館、奥山写す 【ワシントン=奥山俊宏】74年に当時のジェラルド・フォード米大統領(共和)が現職として史上初めて訪日した際、広島訪問をホワイトハウスが検討していたことが、フォード政権の内部文書で分かった。大統領補佐官の一人が、日米和解で傷を癒やし、軍縮を世界に呼びかける場にしようと提案。2週間にわたり「真剣な検討」があったが、最終的には日本国内で反発を招きかねないとして見送られていた。 歴代の米大統領は在任中に被爆地の広島・長崎を訪問したことは一度もない。だが、米政府内部でも被爆地訪問の可能性を探る動きが存在したことが、初めて史料によって裏付けられた形だ。 米国立公文書館分館を兼ねるフォード大統領図書館(ミシガン州)に保管されていた。アメリカン大学の調査報道ワークショップを拠点に、記者が70