「パラサイト・シングル」、「(希望)格差社会」、「勝ち組・負け組」、「婚活」……数々のキーワードを創出したり、流行させたりしてきた山田昌弘。彼はいったい何をしようとしているのだろうか。単に、彼自身は社会学者として社会を研究し、その成果を一言で概括できるようなキーワードを生み出す才能に秀でているだけなのかもしれない。しかし、そうして生み出されたキーワードがいつの間にやら一人歩きして、何か強迫観念のように、社会生活を営む個々人に影響を与えている。それは彼のあずかり知らぬことで、ときには彼の意図を超えた使われ方をされている場合もあるだろう。だが、だからといって彼には何の責任もないと言えるだろうか。