酸性雨とは、二酸化硫黄(SO2)や窒素酸化物(NOx)などを起源とする酸性物質が雨・雪・霧などに溶け込み、通常より強い酸性を示す現象です。酸性雨は、河川や湖沼、土壌を酸性化して生態系に悪影響を与えるほか、コンクリートを溶かしたり、金属に錆を発生させたりして建造物や文化財に被害を与えます。 なお、気象庁では雨などに溶け込み地表に降ってきたものを「湿性降下物」、雨以外の乾いた粒子等の形で降ってきたものを「乾性降下物」として化学成分の測定を行い、両者を併せて「降水・降下じんの化学成分」と呼んでいます。また、現在では、「酸性雨」は湿性降下物及び乾性降下物を併せたものとしてとらえられることが多く、「酸性降下物」という用語も使われます。 物質の酸性、アルカリ性の度合いの指標として一般に水素イオン濃度指数(pH、ピーエッチまたはペーハー)が用いられており、酸性度が強いほどpHは低くなります。純水(中性)