漫画家の山本さほさんが、厄介な人たちを引き寄せるトラブル続きな日々をつづります。今回は、友人である作家・万城目学さんについて。賞へのノミネートが続いたなかで、このたび直木賞を受賞! そのお祝いパーティ会場での珍エピソードです。 万城目さんの受賞シリーズ第2弾『六月のぶりぶりぎっちょう』(6月24日発売)もぜひ! 『きょうも厄日です』第3巻が発売中。ちょっぴり怖い話に驚きの展開、笑うしかない話まで……。山本さんの旅行友達・こうのさんとの「今だから話せるナイショの話」を描きおろし!!
米澤 お集まりの方に最初にお伺いしたいのですが、5作の中で「1作は正解した」という方は挙手をお願いします。おお、結構手が挙がりましたね。2作では? なるほど。……3作以上的中は私の心が削れるので、聞かないでおきます(笑)。ミステリは、読者が解こうと思って隅々まで追えば真相に至れるのが“良問”だと考えて書いているので、いま挙手して下さったくらいの正解率なら、フェアネスが守れていたかと安心しました。 ――帯に〈本格ミステリ×警察〉とありますが、実は米澤さん、刑事が探偵役をつとめるシリーズは初ですよね。この葛警部の造型を考えるとき、エッセイ・書評集『米澤屋書店』(文藝春秋)がヒントになるのでは、と感じています。例えば同書のp278~279、ロス・マクドナルド『さむけ』を紹介する一文に、〈本作において、主人公自身はほぼまったく語られません。自宅すら出てこないんじゃなかったでしたっけ。ですが、アーチ
安済 はい。千束とたきなのオーディションだったのですが、いただいた資料に書かれていた世界観にすごく感動したんです。だから「この2人の役じゃなくてもいいから、この作品に出たい!」と思いまして、千束とたきな、両方受けました。 若山 私はたきなだけを受けさせていただこうと、テープを送って……。 安済 一本釣りだね! 若山 カツオみたいに言わないでください!(笑) 安済 ごめんごめん(笑)。その後、「掛け合い」のオーディションがあったんです。この作品は掛け合いが大事なので、と。 若山 だから技術的なことよりも、相手の話した言葉をどう返すか、ということを考えていました。 井ノ上たきな役の若山詩音さん(左)、錦木千束役の安済知佳さん ──それで合格されて、お2人で何か話し合われたことはありましたか? 安済 コロナもあったし、芝居についてはあまりなかったですね。役が決まったときに別の作品で詩音ちゃんと一
◆◆◆ 最初のきっかけは「中学3年生の夏、止まらなかった鼻血」 ――「全身性エリテマトーデス」とはどのような病気でしょうか? 後藤邑子さん(以下、後藤) 自己免疫疾患のひとつです。本来、免疫というのは外から入ってきたウイルスなどの外敵と戦うものですが、それが自分の体の細胞を攻撃してしまう病気です。 血液だったり、臓器だったり、あるいは皮膚だったりと、どこを攻撃するのかわからないので、「全身性」といいます。原因は、まだハッキリとは突き止められていないようです。 ――病気が発覚したのはいつでしたか? 後藤 2012年に倒れて入院し、そのときに検査してわかりました。 もともと私は別の自己免疫疾患、特発性血小板減少性紫斑病(血小板に対する「自己抗体」がつくられることで、血小板が破壊され、出血の危険が高まる病気。国が指定する難病の対象)というのを長く患っていたので、その症状がひどくなったのかと思って
20年間みんなを元気づけてくれたタンタン……。タンタンって、どんなパンダだったの? お別れ会は開かれるの? タンタンが行く施設って、どんなところなの? 新型コロナウイルスの感染拡大防止策のため、ジャイアントパンダの観覧が抽選制となっている同園。なかなか気軽に行けないし、情報が足りない! 気になってしかたないタンタンのことを、担当飼育員さんと、同園の園長に聞いた。(前後編の前編/後編はこちら) ◆ ◆ ◆ タンタンの飼育員さんは2人 新型コロナウイルスの影響で、休園していた同園も6月1日から開園。当初は兵庫県民と、同園に寄付をしている動物サポーターのみの入場だったが、他府県の人間も6月29日から平日のみ、7月13日(月)からは、土日も含め、抽選制でタンタンの観覧が可能となっている。 7月3日からは、園内が混雑していない場合に限り、だれでも当日入園が可能となっているが、タンタンの観覧には、公式
米澤 言い訳をすると、携帯の画面を表に向けていたので着信が入ったら光って分かると思っていたんですよ。そうしたら、静かに不在着信が入っていました。そもそもノミネートのご連絡の時もたまたま徹夜明けで眠っていて、何度も着信が入っているのに気づかなくて、6回目ぐらいでようやく出たんです。いつもご迷惑をおかけしております。……しょうもない話ですね(笑)。 ミステリランキング4冠、山田風太郎賞も受賞 ――ふふふ。それにしても『黒牢城』は昨年山田風太郎賞を受賞し、年末の4大ミステリランキングで1位を獲得、そして今回直木賞を受賞し、さらに4月に発表の本屋大賞にもノミネートされました。ものすごいことになっています。 米澤 ちょっと思わぬことで、本当に驚いています。実は、どういうかたちで喜んでもらっているのかというのが、いまだによく分かっていないんです。面白い時代小説だと思って読んでもらっているのか、面白いミ
だが、2013年を最後に突如番組から姿を消してしまう――。 「新おにぃ」こと前島浩一さんとは何者なのか? そして、なぜ番組から姿を消したのか? 知られざる「新おにぃ」前夜。初めて語られる真実を、「ディジュハバ リザベーション」よろしく、あの独特な口調そのままで再生していただければ幸いだ。(前後編の前編/後編を読む) ◆◆◆ ――一方的に我々は「新おにぃ」として知っている反面、素顔の前島さんについてはまったく知りません。新おにぃ以前は、何をされていた方なのか教えてください。 前島 大学卒業後は、アメリカに行ってまして、それでイリノイ州にあるビジネススクールに入って、MBAを取ったんですよね。 ――のっけから想像の斜め上をいくというか……。そして、お話しされる口調やイントネーションが、まんま 「新おにぃ」なんですね。 前島 よく言われますよね(笑)。私の姉がピアノをやっていてドイツに留学したん
中東で人気になったジャンル、忌避されるジャンル “日本アニメーション”制作のアニメ作品は根強い人気があり、『小公女セーラ』や『ちびまる子ちゃん』は人気の作品でした。ちなみに『ちびまる子ちゃん』はアラブではそのまま『マルコ』というタイトルで放送されています。この作品に関してはいわゆる「日本人の日常」を描いているという点で人気があったようです。 日本のアニメは流行っていますが、そのなかでもあまりファンであることを公言しにくいジャンルがあります。それはいわゆる“アイドル系アニメ”です。アラブでは「男は男らしく、女は女らしく」という価値観がいまだ根強いので、男性ファンはいるのですが『アイドルマスター』や、『ラブライブ!』を好きだということを堂々と公表しにくい環境にありました。表立って好きだと言える人は少なく、一度だけ『アイドルマスター』のシャツをドバイで着ていたアラブ人男性に会ったときにお話ししま
作るのはいいんですが、後片付けを考えると面倒に 岡村 最近、コロナ禍で自炊する人が増えましたけれども、僕も毎日やるようになって。で、いろいろと感じることがあるんです。 土井 感じるいうのは素晴らしいこと。どんなことを感じますか? 岡村 あらためて思うのは、家庭料理をきちんと作ることが健康に直結するということで。免疫力を上げることにつながるんだなって。そうすると、例えば、いままでやる必要のなかったことをやるようになったんですね。ショウガをするとか、ニンニクをするとか。 土井 ……ええ(怪訝な顔)。 週刊文春WOMAN vol.9 (2021年 春号) 岡村 ……いえ、もちろん、切ったり刻んだりは日頃からしてたんですよ。でも、「する」ことはなかった。ただ、食事は毎日のことですから、バリエーション豊かに、今日はあれを作ろう、明日はこれを作ろうと、さまざまなレシピを見るんです。すると、料理によって
「元SMAP3人のTV出演に圧力の疑い ジャニーズ事務所を注意 公正取引委」 2019年7月17日、NHKが報じたスクープが世の中をざわつかせた。事務所から独立した芸能人が「干される」状況をめぐって、公正取引委員会が「注意」したという。これを指揮したのが、2013年から公正取引委員会の委員長を務めていた杉本和行氏だった。 どのような意図があったのか。2020年9月に公取委員長を退任した杉本氏に聞いた。(全2回の1回め/後編を読む) 2019年7月公表の“ジャニーズ事務所に対する注意処分” ――2013年3月から、7年半にわたって公正取引委員会委員長を務められました。その中で世間をざわめかせた取り組みの一つに、2019年7月に公表されたジャニーズ事務所に対する「注意処分」がありました。 杉本 ジャニーズ事務所がテレビ局に対し、退所した3人のメンバーを出演させないよう圧力をかけた場合は独占禁止
味噌汁をごはんにかけて食べるのは、ありですか? なしですか? と、唐突に質問から始めてしまったが、答えは大きく割れるのではないだろうか。 私事ながら、年末に「スープかけごはん」の本を出版した。要するに、汁を飯にかけて食べる、という提案である。きっかけは、編集者の息子が、保育園での食事どき、家でやっているように味噌汁をごはんにかけて食べていたら「お行儀が悪いからやめようね」と言われたという小さな出来事だった。 「有賀さん、でも、汁かけごはんだと忙しいときにお皿1つで済んで楽だし、喉を通りやすいせいか子供たちも良く食べるし、肉も野菜も一緒にとれるし、忙しい現代の食生活にはぴったりだと思うんですよ!」 子供の話からスープかけごはんの企画を思いついたという編集者は、池袋の喫茶店で私に力説した。 ごはんやパン、パスタ、豆などの炭水化物をスープに入れて一皿で一食にするという食事は、世界中に見られるもの
土地に染みついたまじないを見出すことは、こんにち容易ではない。複製したような街並みからは、積み重なった人々の息吹が聞こえてこない。それでも稀には、曲がり角や坂道や、古い三角点や剥落した石碑に、物語の予感を感じることがないでもない。優れた小説家は卓越した目でそれらの予感を見出し、それぞれの手の内のなにかを加えて、見慣れた土地をあらぬ姿へと変容させることがある。そうした、ここであってここでない場所の話が、私は好きだ。 よねざわほのぶ 岐阜県生まれ。2014年『満願』で山本周五郎賞を受賞。近著に『いまさら翼といわれても』。©杉山拓也/文藝春秋 『神州纐纈(こうけつ)城』は日本にあやしの術をかける。広大な富士の裾野のどこかに建つ纐纈城では月に一度、捕らえた人々の血を絞り、目にも鮮やかな赤い染め物が生み出される。因縁は巡り、やがて緑深い富士の樹海から、災厄が甲府へとやって来る。妖美の世界に総身でのめ
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