J・R・R・トールキンの小説『指輪物語 (The Lord of the Rings)』の暗黒世界で、ダーク・ロードは自分の力を具現化し、誇示する1組の黄金の指輪を作成するよう命じました。その中の特に 1 つ (図 1) は他を凌ぐ力を持ち、他の指輪を発見し、呼び集める能力を備えていました。 図 1. トールキンの空想の世界では 1 つの指輪が他のすべての指輪を支配する 報道記事を読んでいると、ディープ・ラーニング・アルゴリズムが力を伸ばしつつあることの比喩として見かけるかもしれません。特に畳み込みニューラル・ネットワーク (CNN) は、その分野で完勝を収めているようです。CNN は、ImageNet 視覚認識チャレンジにおいて他のすべてのアルゴリズムに圧勝しているため、残された課題はネットワーク内の層数などの実装詳細のみのように思われます。 また、CNN は自律走行車からコンピュータ囲
これまでになく、ソフトウェアエンジニアの間でFPGA(Field Programmable Gate Array)への関心が高まっている。ドワンゴがニコニコ動画の配信向けにFPGAエンジニアを募集。バイドゥがディープラーニングの高速化にFPGAを導入。インテルがアルテラを買収。ザイリンクスがIBMと提携するなど、2015年はソフトウェアエンジニアの間でもFPGAの話題が多く聞かれた。 そこで、本企画では、FPGAベンダーであるザイリンクスの神保直弘氏、ソフトウェア開発者の立場でFPGAに取り組むイベント「FPGAエクストリーム・コンピューティング」を主宰する佐藤一憲氏、そしてブログサイト「FPGAの部屋」を書き続けてきた小野雅晃氏に集まってもらい、座談会を実施した。 「FPGAネイティブ世代」の登場により、ソフトウェアとハードウェアの間に在った壁が壊されようとしている現状をお伝えする。 (
Hot Chips 27のFPGAのセッションでは、XilinxがSoCとFPGAを複合した「Zynq」、Alteraが14nmプロセスを使い1GHzで動作するFPGA「Stratix」、そしてMicrosoftがFPGAを使ってDeep Learningを高速化するという発表を行った。 適用範囲を広げたXilinxのZynq XilinxはProgrammableなLogicだけではなく、プロセサやビデオ、グラフィックスの処理機能やリアルタイム処理機能などをソフトウェアでプログラムするシステムをも一体化したZynqという製品を発売しており、今回のHot Chipsではその第2世代となる「Zynq UltraScale+ MPSoC」を発表した。 次の図のように、Zynq UltraScale+ MPSoCはProgrammable Logicに加えて、ARM Cortex-A53プロセサ
計算処理には「CPU」だけでなく「GPU」や「FPGA」、メインメモリーには「DRAM」や「3D XPoint」、ストレージには「ハードディスク」「NANDフラッシュ」「3D XPoint」――。現在、コンピュータの構成要素の選択肢が急増し始めている。 10年前であれば、業務アプリケーションを稼働するサーバーコンピュータでは計算処理にはCPUを、メインメモリーにはDRAMを、ストレージにはハードディスクを使うのが当たり前だった。むしろ他の選択肢が無かった。 しかし最近は様相が異なる。CPU、DRAM、ハードディスクという従来の定番ハードウエアの性能向上が頭打ちになり、定番以外のハードウエアを選ばなければアプリケーションの処理性能を向上するのが難しくなった。まず始まったのはストレージにおけるNANDフラッシュの採用だが、いよいよ計算処理やメインメモリーについても、定番以外の採用が不可欠になり
FPGA大手のXilinx(ザイリンクス)は2015年6月23日、東京都内で会見を開き、車載分野における事業展開について説明した。 会見には、まず同社の車載セグメント担当ディレクターを務めるNicholas L. DiFiore氏が登壇。あいさつを兼ねて、「当社の事業で、今後1~2年で最も成長すると見ているのが車載分野だ。これまで欧州を中心に採用が進んでいたが、国内での採用事例も増えてきている。特に高度運転支援システム(ADAS)については大幅な伸びになると見ている」とコメントした。 同社の車載分野の事業展開について解説したのはオートモーティブマーケティング/製品企画部門 シニアマネージャを務めるケビン・田中氏である。 田中氏は、「さまざまなアプリケーションで、当社製品のようにプログラマブルなソリューションが求められている。ADASもその1つだ。多くの有力な自動車メーカーやティア1サプライ
今月はじめ、インテルがFPGA大手のアルテラを総額2兆円で買収することを発表した。インテルはちょっと前まではCPU+FPGAなんてコードが分断するしダメダメソリューションだなんて言ってたくせに、なんて鮮やかな手のひらの返しよう。まあでも、すばらしい展開だし非ノイマン計算をソフト屋が使いこなす時代が幕開けしそうなので、あっぱれインテルである。非ノイマンなにそれ? という人はコネクションマシン本と青いリコンフ本を読んでおこう。 この発表でインテルが説明に用いたスライドで、とくに目を引いたのが以下の一文。 Up to 1/3 of Cloud Service Provider Nodes to Use FPGAs by 2020 (2020年までに、クラウドサービスプロバイダのサーバの1/3がFPGAを利用する) つまりあと5年もすると、クラウドを使うエンジニアは直接的/間接的にFPGAを使わざ
ルネサスとXilinxが協業、IoTネットワーク機器向け設計プラットフォーム提供へ:組み込み開発ニュース ルネサスと米Xilinxが協業、ルネサスのネットワーク検索エンジンと、XilinxのFPGAパケットプロセッサを相互接続した設計プラットフォームを開発した。ESEC2015およびIoT/M2M展にてデモを行う。 ルネサス エレクトロニクスは2015年4月27日、米Xilinxと共同で、自社のネットワーク検索エンジンと、XilinxのFPGAパケットプロセッサを相互接続した設計プラットフォームを開発したと発表した。同年5月13日より開催される組込みシステム開発技術展(ESEC2015)およびIoT/M2M展にてデモンストレーションを行う。 開発したプラットフォームはアプリケーションの識別やアクセス制御リストなどの分類を約100万通り搭載しながら、200Gビット/秒のパケット処理能力を有し
IBMはPOWERアーキテクチャーの最新MPU「POWER8」を開発し、それを搭載したサーバー「IBM Power System」の第1弾製品を2014年4月に発表している(日経テクノロジーオンライン関連記事1)。このMPUやサーバーと共に発表された目玉の新技術の1つが、CAPIである(同関連記事2)。 CAPIはコヒーレンシーを担保するための仕様で、FPGAベースのアクセラレーターボードなどをMPU(現在はPOWER8)と密に接続すること狙う。この仕様に沿ったMPUとアクセラレーターカードは共有メモリーを経由して直接通信できる(図1)。PCI Expressなど既存のインターフェース仕様だけで接続する場合に必要だったI/Oサブシステムのオーバーヘッドが不要になる(図2)。例えば、デバイスドライバーなしに、アクセラレーターをホストのアプリケーションの一部として動作させることができる。 今回
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く