誰が言ったのかは忘れたが、「歳をとって田舎暮らしをしたいという人がいるけれど、年寄りこそ便利な都会に住むべきだ」という趣旨の発言を聞いたことがある。そのときは特に何も思わなかったけれど、いまは「なるほどその通りだ」と思う。 私はいま田舎に住んでいる。 交通手段は原付バイクで、これのおかげでたいした不便もなく生活できている。いや、そりゃまあ、不満や不便を言い出せばキリがないけれど、とにかく生活は成り立っている。しかし、もっと歳をとったらどうなるだろう? 私はいま50歳だ。 いつまで生きるのか、それはもちろんわからないが、いつまでも原付を乗り回せるとは思えない。「足」がなくなったら、田舎で生きていくことはまずできない。幹線道路を走っているバスは年々運行本数を減らしている。そもそも一番近いバス停まで歩いて15分はかかる(いまの脚力で)。地域を回ってくれるコミュニティバスもあるけれど、本数は少なく