脳の手術で重い後遺障害が残ったのは、大学病院側の治療ミスが原因だったとして、滋賀県の女性(38)が、滋賀医科大学に約1億7千万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。20日に開かれた第1回口頭弁論で、病院側は医療過誤ではないとし、請求の棄却を求めた。 訴状によると、女性は脳動静脈奇形の患者。病院側から将来的な出血の危険性を説明され、平成27年12月に血管のかたまりを摘出する手術を受けた際に、硬膜外血腫を発症。正社員として働いていたが、高次脳機能障害や両手足のまひなどが残り、日常生活で常に介助が必要になった。 女性側は、血流を止めるために使われた薬品が、この女性にとっては「原則禁忌」だったなどと主張。女性の夫(47)は「予防的な手術のはずが生活を奪われた。病院の説明には納得できない」としている。 一方、病院側は「係争中につき、回答を差し控える」とコメントした。