教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏が、男子校で広がり始めた性教育とジェンダー教育の現場に迫る連載「ルポ・男子校の性教育」。第2回は、神戸市にある私立灘中学校・灘高等学校を訪ねた。 【関連記事】 第1回:巣鴨が問い直す「男らしさ」、題材は「逃げ恥」 妊娠・出産のリアル、性差によるバイアス…生徒はどう受け止めたか 1学年220人程度でありながら、例年100人近い東大合格者を出す私立灘中学・高校。特に最難関である東大医学部の歴代累計合格者数ではダントツの1位を誇る。世間からはガリ勉のイメージを持たれやすいが、制服はなく、校風はいたって自由。創立時の顧問は柔道の創始者・嘉納治五郎で、生徒の約3人に1人は黒帯をとって卒業するという一面も。 大学受験を控えた高3の夏休み明けの公民の授業が行われる教室には十数名の女性がいた。近隣にある甲南女子大の学生たちだ。この日、灘校生たちが女性の生理やデートDV、