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ブックマーク / book.asahi.com (42)

  • いまこそ西田幾多郎が新しい: 日本の独創的哲学、即、世界哲学という意味|じんぶん堂

    記事:春秋社 西田幾多郎 出典:Wikimedia Commons (public domain) 書籍情報はこちら 絶対矛盾的自己同一という謎 私事で恐縮だが、私は西田幾多郎の代名詞ともいうべき「絶対矛盾的自己同一」という言葉を、なぜか中学生のころには知っていた。しかし、その意味を突きつめて考えることもなく、高校の倫理の授業でも西田に特に興味を持つことはなかった。教科書には載っていたから何か習ったはずだが何ひとつ覚えていない。 この言葉と思わぬ再会を果たしたのは、ある学会を見学したときのことだった。ずいぶん昔のことだから記憶があいまいで、状況を正確に記述できないのだが、とにかく誰かが自由意志の問題について発表したのである。 自由意志の問題を大ざっぱに説明すると、この宇宙の現象が因果的に決定されているなら、自由意志は存在しえないのではないかという問いである。たとえば脳は原子で構成されており

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  • イスラエルはどうしてあんなにひどいことができるの? 早尾貴紀——後編|じんぶん堂

    記事:平凡社 パレスチナ・イスラエル問題に関するオンラインセミナー「パレスチナ連続講座」に登壇する東京経済大学教授の早尾貴紀さん 書籍情報はこちら 《前編はこちらから》 ホロコーストを経験したユダヤ人とイスラエル 「ホロコーストを経験したユダヤ人が、どうしてジェノサイドをする側になるのか」という質問をよく受けます。そのことについて、2023年に日でも公開された『6月0日 アイヒマンが処刑された日』という映画を例にお話しします。ナチスの戦犯アドルフ・アイヒマンは1960年に逮捕され、62年にイスラエルで処刑されました。映画ではその死体を焼却する炉を作る過程が描かれます。映画に登場する鉄工所の社長、作業員、臨時に雇われた少年工は、それぞれ、「イスラエル国民」を構成する3階層のユダヤ人グループに属しています。 1つめのグループは、イスラエルの建国運動を中心的に担った人たちです。ヨーロッパ出身で

    イスラエルはどうしてあんなにひどいことができるの? 早尾貴紀——後編|じんぶん堂
  • 内輪向けでない哲学のために――哲学者・三木那由他氏が感じ取った『時間の解体新書』の重要性|じんぶん堂

    記事:明石書店 田中さをり『時間の解体新書 手話と産みの空間ではじめる』(明石書店) ※写真は加工してあります。 書籍情報はこちら 哲学者もひとりの人間 哲学者というのはどんなひとだろう? 哲学者のイメージを思い浮かべるとき、おそらく少なからぬひとが想像するのは、世間と隔絶され、超然とした視点を持ち、抽象的な思考に生きる人物ではないだろうか。ときには哲学者自身もそうしたイメージを自ら打ち出し、哲学的思考の「抽象性」とそれがもたらす「普遍性」について語ることもあるだろう。「哲学者は世間の常識に流されず、むしろ批判的な精神のもとで常識的な世界観を問い直す」などと言われることもある。 ただその一方で、「哲学者って当にそんなに批判的なのだろうか? その思考は当にそんなに普遍的なのだろうか?」と思う面もある。私は自分自身も哲学者であり、哲学者たちが集まる学会に出入りし、哲学者たちが飲みいしなが

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    togusa5 2024/02/28
  • コミュニケーション社会学の名著が復刊・文庫化! ――『他者といる技法』解説より|じんぶん堂

    記事:筑摩書房 「生きる道具」としての社会学へのいざない 書籍情報はこちら 理解できないあなたの隣にいるために この社会において、私たちはすでに他者とともにあり、それゆえに他者といるためのさまざまな「技法」を用いて暮らしている。ではその技法とはどういったものなのか? 書『他者といる技法』は、私たちが他者といるために用いるさまざまな技法を、ひとつの大きな枠組みのもとで体系的に論じている。 書は全体の導入となる序章に加えて、六つの章から成っている。各章はそれぞれ独立に読むこともできるが、それとともにひとつのアイデアがすべての章を貫いている。それはすなわち「〈承認と葛藤の体系としての社会〉」(54頁)である。この社会観がもっとも詳しく説明されている第一章をもとに、ここで簡単に整理してみよう。 奥村はR・D・レインなどを参照しながら、ひとはその存在証明を他者からの承認を通して得ている、という見

    コミュニケーション社会学の名著が復刊・文庫化! ――『他者といる技法』解説より|じんぶん堂
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    togusa5 2024/02/28
  • 「約束は守らなければならないのか」「なんで冬にアイスが食べたくなるの?」 哲学対話の「問い」はすぐそこに|じんぶん堂

    記事:晶文社 世界に根ざしながら世界を見つめて考える哲学エッセイ『水中の哲学者たち』永井玲衣(晶文社)。 書籍情報はこちら なんてめちゃくちゃで、ばかばかしくて、美しいんだ ネットで注文した商品を開封したら、折りたたまれたつるつるの紙が入っていた。静かにひらいていくと、商品の説明が書いてあり、1行目はこのような文で始まっている。 弊社の製品をご選別においでになって、ようこそいらっしゃいませ。 めちゃくちゃだ。「弊社」というハイレベルな単語が扱えるにもかかわらず、「ご選別においでになって」は、バカな小学生が考えた敬語のようである。「ようこそいらっしゃいませ」に至っては、そう来るか、と思わせるエネルギーを備えている。 だが2行目以降は、何わぬ顔で、秩序だった文章がつづく。この商品はこんな製品でございます、何かありましたらこちらまでご連絡下さいませ。 ところどころ妙な敬語はあるものの、文章はわ

    「約束は守らなければならないのか」「なんで冬にアイスが食べたくなるの?」 哲学対話の「問い」はすぐそこに|じんぶん堂
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    togusa5 2023/10/10
  • 「君たちはどう生きるか」宮崎駿監督が、新作映画について語っていたこと。そして吉野源三郎のこと|好書好日

    宮崎駿監督の新作「君たちはどう生きるか」ポスター=スタジオジブリのTwitterより 「私自身、訳が分からない」 「おそらく、訳が分からなかったことでしょう。私自身、訳が分からないところがありました」。 2023年2月下旬、東京都内のスタジオで上映された、「君たちはどう生きるか」の初号試写。米津玄師の歌うピアノバラードが流れ、エンドロールが終わった瞬間、灯りが点き、宮崎駿監督のコメントが読み上げられた。 客席から軽い笑い声が漏れた。私もその一人だった。あまりの展開の速さと、盛り込むだけ盛り込まれた情報を消化しきれず、茫然と座り込んでいたが、その言葉で我に返った。 これは「宮崎アニメ」の集大成なのか、吉野源三郎の著書『君たちはどう生きるか』の再解釈なのか。とにかく、1回見ただけではとても全容を把握できなかった。 「自分のことをやるしかない」 今回の作品は、公開前のプロモーションも、メディア関

    「君たちはどう生きるか」宮崎駿監督が、新作映画について語っていたこと。そして吉野源三郎のこと|好書好日
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    togusa5 2023/07/14
  • 文學界新人賞・市川沙央さん 「なにか職業が欲しかった」ままならぬ体と応募生活20年の果てに 「小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。」#1|好書好日

    第128回文學界新人賞 受賞作品「ハンチバック」 親が遺したグループホームで裕福に暮らす重度障害者の井沢釈華。Webライター・Buddhaとして風俗体験記を書いては、その収益を恵まれない家庭へ寄付し、Twitterの裏垢では「普通の人間の女のように子どもを宿して中絶するのが私の夢」と吐きだす。ある日、ヘルパーの田中に裏垢を特定された釈華は、1億5500万円で彼との性交によって妊娠する契約を結ぶ――。 療養生活という名の引きこもり 取材は市川さんが両親と暮らす自宅で行われた。お母さんに案内された部屋で、市川さんと目が合った瞬間、その射貫くような眼差しに気圧された。市川さんは筋疾患先天性ミオパチーという難病により、人工呼吸器を使用しているため、発話に大変な体力を使い、リスクもある。そのため取材も、あらかじめメールで回答をもらい、補足のみ、最小限お話いただく形をとった。 目力の強さはそれが市川さ

    文學界新人賞・市川沙央さん 「なにか職業が欲しかった」ままならぬ体と応募生活20年の果てに 「小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。」#1|好書好日
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    togusa5 2023/05/28
  • 桃野雑派さんが好む京都の流儀 変わり続けて変わらない街|好書好日

    桃野の地元である京都は、パン、珈琲、牛肉の消費量が、かつて日一だったらしい。言われてみれば、桃野もパンが多い。珈琲には親しんでこなかったが、同郷の知人友人で嫌いだという人に出会ったことはないし、喫茶店もあちこちで見かける。牛肉にいたっては毎でもべたいぐらいだ。サシは少しでいい。赤身の方が好きだ。歳を取ったせいではない。昔からの好みだ。ホルモンも大好物である。 この調査結果を受けて、京都というイメージからは意外に感じると、ネットやテレビで話題になったことがある。当の京都人からすれば、なんら不思議ではなかった。 何故なら京都は、常に新しいものを受け入れてきた伝統があるからだ。 そもそも七九四年に遷都された際、風水に適う四神相応の地として今の京都が選ばれたたという説がある。当時風水は、中国からやって来た最先端科学だった。 都になれば、各地から様々なものが集まってくる。物珍しいものもきっと

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  • 「おとちん」こだまさんと哲学研究者・永井玲衣さんが対談 ままならない者同士、愛して、助け合って|好書好日

    永井玲衣さん(左)とこだまさん こだまエッセイスト・作家 実話を元にした私小説『夫のちんぽが入らない』でデビューし、Yahoo!検索大賞を2年連続で受賞(第3回、第4回)。2作目のエッセイ『ここは、おしまいの地』で第34回講談社エッセイ賞を受賞。ほかに『いまだ、おしまいの地』『縁もゆかりもあったのだ』など。 永井玲衣(ながい・れい)哲学研究者 1991年、東京都生まれ。哲学研究と並行して、学校・企業・寺社・美術館・自治体などで哲学対話を幅広く行っている。哲学エッセイの連載なども手がける。著書に『水中の哲学者たち』(晶文社)。詩と漫才と念入りな散歩が好き。 さみしさと、どうしようもなさと ――永井さんは以前からこだまさんの著作がお好きだったそうですね。 永井:最初に「おとちん」を読んで、立ち上がれないくらい号泣しました。こだまさんは何かままならないものを、一生懸命に見て書こうとしている。私は

    「おとちん」こだまさんと哲学研究者・永井玲衣さんが対談 ままならない者同士、愛して、助け合って|好書好日
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    togusa5 2022/10/04
  • 福井県立図書館「100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集」インタビュー レファレンスサービスは、なんでも聞いていいんです!|好書好日

    宮川陽子さん福井県立図書館 司書 1998年から福井県立図書館で司書として勤務。現在の担当分類は、建築や機械工学、家政学などを扱う「5類 技術」(日十進分類法)。読書バリアフリーサービスや寄贈図書の管理なども行なっている。同館の「覚え違いタイトル集」の発案者でもある。 福井県立図書館「覚え違いタイトル集」 レファレンスサービスの認知向上のために ――「覚え違いタイトル集」は、どういった経緯で生まれたのですか。 そもそもの始まりは大学時代の後輩が久世番子さんの漫画『暴れん坊屋さん』を勧めてくれたのがきっかけかもしれません。久世さんが書店でバイトをしていたときのことを描いた漫画で、お客さんが覚え違えているタイトルから「これですね」と正しいタイトルのを渡すシーンがあったんですよね。それを見て図書館のカウンターでも似たようなことがあるという話から、エクセル表で覚え違いの事例を集めていくことに

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  • 阿古智子さん「香港 あなたはどこへ向かうのか」インタビュー 渦巻く怒りとやるせなさ|好書好日

    香港は大学院の3年間を過ごした思い出の地だ。民主活動家の周庭さんらを日に招いて講演会を開くなど、支援にかかわってきた。催涙弾や火炎瓶が飛び交う事態を受け止めきれず、昨年12月に香港に行き、旧友に会ってデモにも参加した。 感じたのは「人々の心に怒りや悲しみ、やるせなさが渦巻いている」こと。「香港の人は昔は政治を語らなかった。今は青色(政府支持派)か黄色(デモ支持派)かで選ぶ店が違い、公私の顔を使い分けている」。自身も意見のい違いから長年の友人と疎遠になってしまった。 「でも、香港で起こっていることを人ごとのようにとらえないでほしい。社会をどう作るのか、自分たちの足元にある問題として考えてほしい」。それが書の根幹にある。 だから家族や身の回りのことも書いた。大阪に生まれ、中学生の時に母ががんで亡くなり、父がうどん屋をしながら育ててくれた生い立ち。息子が通う小学校の移転問題がきっかけで、小

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    togusa5 2021/05/25
  • 生まれてこないほうが良かったのか? 哲学者・森岡正博さんと「反出生主義」を考える|じんぶん堂

    記事:筑摩書房 iStock.com/portishead1 書籍情報はこちら 私は生まれてこないほうが良かったのか? 「生命の哲学」がカバーする幅広いテーマの中から、書ではまずひとつの問いを取り上げて、集中的に考察する。それは「私は生まれてこないほうが良かったのか?」というものである。古来より、この問いは何度も繰り返し問われてきた。「生命の哲学」の中心にある痛切な問いのひとつである。私自身、「生まれてこなければよかった」と思うことはたびたびある。たとえば、私がこれまでの人生で親しい人たちにしてきた様々なことを思い返すたびに、「ああ、こんな私など生まれてこなければよかったのだ」と考えてしまう。あるいは、自分がいずれは死ななくてはならないことに思いを馳せるたびに、「私はなぜ死ななければならない人生へと生まれてきたのだろうか。こんな人生だったら生まれてこなければよかった」と考えてしまう。ふだ

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  • 「産業革命は黒人奴隷たちの血と汗の結晶である」 歴史学の常識を覆した研究者とは 川北稔さんが解説|じんぶん堂

    記事:筑摩書房 iStock.com/vivalapenler 書籍情報はこちら 「周辺」から世界の歴史を見る 植民地など、「周辺」とされる地域から世界の歴史をみようとする立場は、いわゆる世界システム論をはじめとして、いまではそれほど珍しくはない。そうした見方は、学問的にも市民権を得ているといえる。しかし、ほんの半世紀まえには、そうした立場は、まともな学問とはみられないものでもあった。先頭を切って、この困難な局面を切り開いたひとりが、書の著者エリック・ウィリアムズである。 トリニダード・トバゴの郵便局員の息子として生まれたウィリアムズは、秀才の誉れ高く、周りの期待を背負って、宗主国イギリスのオックスフォード大学に送りこまれた。古典学を専攻した彼は、抜群の成績で卒業したものの、当時のイギリスには─―というより、日をふくむ世界には─―、西洋文明の根源にかかわる古典学、つまりギリシア語やラテ

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  • 「三体」監修・立原透耶さんインタビュー 中国SF界に現れた、突然変異的なスペースオペラ|好書好日

    文:ハコオトコ 立原透耶(たちはら・とうや)作家・翻訳家 1969年生まれ。ファンタジーなど幅広い作品を執筆。「ひとり百物語」シリーズ(メディアファクトリー)など著作多数。華文SFの翻訳も長く手掛け、最近も中国語圏の作家の作品を翻訳した『時のきざはし 現代中華SF傑作選』(新紀元社)を出版。 戦後、ソ連の影響を受けた中国SF ――翻訳・監修に多くの人が携わった「三体」シリーズ邦訳版ですが、立原さんは主に和訳された文章と中国語の原書と乖離が無いか、固有名詞やルビのミスが無いかなどをチェックする「総監修」を担当しました。華文SFに造詣が深く、翻訳も長く手掛けてきた立原さんですが、まずは三体の背景にある中国SF事情、歴史を教えてください。 第二次世界大戦後、中国ではソ連のSFが最初に(大々的に)影響したと思います。同じ共産国として中国の目指す科学技術立国、「頑張ったらこんな良い未来があるんだよ

    「三体」監修・立原透耶さんインタビュー 中国SF界に現れた、突然変異的なスペースオペラ|好書好日
  • SF×百合ブーム、キマシタワー! 謎マリアージュの魅力、仕掛け人編集者が語る|好書好日

    文:ハコオトコ 写真:斉藤順子 溝口力丸(みぞぐち・りきまる)編集者 1991年、東京都生まれ。早川書房でSF専門文芸誌「SFマガジン」のほか、SFを中心とした書籍の編集を手がける。担当小説に『裏世界ピクニック』(宮澤伊織)、『最後にして最初のアイドル』(草野原々)、『ファイト・クラブ〔新版〕』(チャック・パラニューク)など。 百合にみんな“飢え”ている!? ――文芸誌の不況と言われる今、溝口さんが担当編集者を務めたSFマガジンの「百合特集」の売れ方にはすさまじいものがありました。 今回のは企画から原稿の依頼などを私1人でこなしました。「百合なんか売れないでしょ」という声も事前に聞きましたが、発売2週間前に在庫が切れましたね。Amazonの在庫もすぐ無くなった。とにかく異様でした。 の売れ方というよりは、何だか品というか生活必需品のような売れ方でした。今の百合好きな人々は、(百合作品

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  • 「エヴァ」でも注目、「死海文書」に世界はなぜ驚かされるのか? 日本語版刊行開始|好書好日

    文・北林のぶお 「死海文書」は、確かに存在している。旧約聖書の写を含む約2000年前の古文書が、「世紀の大発見」と言われてから約70年。解読作業の遅れから、オカルト的な興味の対象になったり、真偽そのものを疑う声も一部で上がった。ようやく現存する文書の公刊がほぼ終わり、日でも全12冊の刊行が始まった。ぷねうま舎の社長で編集を担当した中川和夫氏は、聖書を新たに読み解く試みについて「長年の夢を実現できた」と、静かに語る。 ――まず「死海文書とは何か」というところからお聞かせください。 1946年から47年にかけて、現在のヨルダン川西岸地区にある死海のほとりの洞くつ群から、ベドウィンの羊飼いの少年が偶然にも巻物を収めた壺を見つけた、という逸話が伝えられています。巻物は後に20世紀最大の考古学的発見と言われるのですが、ベドウィンから古物商、さらにはシリア正教会の大司教の手に渡り、数奇な運命をたど

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  • 書評・最新書評 : 科学的人間と権力政治 [著]ハンス・J・モーゲンソー - 西崎文子(東京大学教授・アメリカ政治外交史) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

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    togusa5 2018/05/30
  • 書評・最新書評 : 中国古代史研究の最前線 [著]佐藤信弥 - 出口治明(立命館アジア太平洋大学学長) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    ■甲骨文や兵馬俑の新事実に驚き 序章でノックアウトされた。僕は、甲骨文発見の経緯は、清朝末期の役人、王懿栄(おういえい)が北京でマラリア治療のため龍骨(りゅうこつ)と呼ばれる漢方薬を買い求めたところ文字らしきものが刻まれているのに気付き、それがきっかけで殷墟(いんきょ)が発見されたと信じてきた。しかし、実は、骨董(こっとう)商が北京で甲骨を売り歩いており王懿栄がそれを入手したという。書は、近年の出土文献や最新の研究成果をもとに中国古代史の実像に迫ったものである。 書は夏から秦までの約2千年をカバーするが、各章とも目からうろこが落ちる。例えば、兵馬俑(へいばよう)は一般には殉葬者の代わりとして理解されてきたが、そうではなく始皇帝が滅ぼした東方六国の霊魂による反撃を恐れたのでそれを防衛し威圧するために作られた、という説がある。つまり、殉葬者ではなく鎮墓獣の代わりというわけだ。 また、兵法で

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    togusa5 2018/05/30
  • 書評・最新書評 : 辺境中国―新疆、チベット、雲南、東北部を行く [著]デイヴィッド・アイマー - 出口治明(立命館アジア太平洋大学学長) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

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    togusa5 2018/05/30
  • 書評・最新書評 : 誤解された大統領―フーヴァーと総合安全保障構想 [著]井口治夫 - 保阪正康(ノンフィクション作家) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

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    togusa5 2018/05/30