大阪市の雑貨店主のもとに、不思議なマッチ箱が持ち込まれた。300箱の中に、小さな文字で日記が書かれていた。半世紀以上前の日付。立ち寄った店の食事や旅行の内容、映画の感想……。誰が書いたかわからない。「個人的なものなので返したい」と、店主が関係者を探している。 西淀川区で「カマタ商店」を営む鎌田安彦さん(34)。アンティークの家具や古道具などを扱う。 2012年6月ごろ、大阪市内のバイク店主が段ボール箱を二つ抱えてやって来た。知人の不用品屋からもらったという。長い間忘れられていたようで、マッチ箱は湿り、虫が付いていた。薄い木箱に色紙を貼ったものが多く、中にはひび割れたものもある。 天日干しにしたところ、文字に気づいた。約370個のうち300個に、1952~61年の日付の日記が書かれていた。 マッチ箱の飲食店は京都の店が8割ほど。中華料理店「ハマムラ」のマッチ箱にはこんな記述があった。 195