こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。『教職研修』1月号掲載の連載記事で、トロッコ問題の問題点を指摘しました。ことの経緯は、ある小中学校で、授業を担当したスクールカウンセラーがいわゆるトロッコ問題を取りあげたところ、親から苦情が来て、学校側が謝罪したというもの。 ネットを見ますと、トロッコ問題そのもののバカバカしさに気づかない論理思考力欠乏症のひとたちが、苦情をいった親をモンペと決めつけたり、謝罪した学校の態度を批判したりと、お粗末な感情論ばかり。そんなひとたちのために、トロッコ問題のどこがヘンなのか、解説します。 まずは、トロッコ問題をご存じないかたのために説明を。手書きのきたない絵ですいません。ブレーキが壊れたトロッコが暴走し、こちらに向かってきます。線路の先には5人の作業員がいて、このままだと轢かれて死にます。あなたが手動でポイントを切り替えればトロッコの進路を変えられますが、そち
こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。ここしばらく原稿執筆を優先していたので、ブログを書くのは久しぶりです。その間、世間ではいろいろあって私が思ったのは、やっぱりベーシックインカム、本気で検討するべきじゃないか、ってことでした。 日本にいるかぎり、どこに住んでいようと地震などの自然災害からは逃げられません。大規模な自然災害ともなると、人間の努力や心掛けで防ぐのは不可能です。地球規模の気候変動に見舞われている以上、今後、自然災害は増えることはあっても減ることはないでしょう。日本で暮らしていれば、だれもが一生に一度は被災者になるといっても過言ではありません。 で、被災したときになんらかの援助を受けるには、罹災証明とかを申請しなきゃいけないわけですよ。被災直後のタダでさえ肉体的・精神的ダメージが大きいときに、そんな申請すること自体がみじめでイヤな感じになるんじゃないですか。しかも災害直後は役所
こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。 週刊新潮10月1日号の老後破産についての記事を読みました。冒頭で私の『「昔はよかった」病』を引き合いに出してます。(この記事は「矢来町ぐるり」という新潮社のサイトにも転載されてるのでネットでも読めます。) 『「昔はよかった」病』で私は、むかしはよかったという老人の嘆きが歴史的事実とはかなり異なる記憶の捏造であることを検証し、むかしもいまも変わらない、どちらかというとむかしのほうがヒドかったと結論を出しました。 ところが多くの日本人はこの事実を信じたがらない。どうやら新潮の記事の筆者もその口らしく、パオロはああいってるけど、ちかごろ話題になっている老後破産の現実はどうだ。「誰がどう見ても、「昔はよかった」と言うほかない」とおっしゃる。 で、その反証例としてあげてるのが、タレントの天地真理さんと漫画家の柳沢きみおさんなのですが、記事を読んだかぎりでは、
こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。 焼き鳥居酒屋チェーンの鳥貴族の一店舗で、酎ハイのドリンクサーバーにまちがえて消毒用アルコールを接続して客に出していた問題について、キビシい指摘をしておきます。ちなみに私は鳥貴族には一度も行ったことはありませんし、なんの利害関係もありません。 消毒用アルコールは健康上は無害だから問題はない、飲んでしまった客には返金する、などと、なんかさらっと済ましてしまおうとしてますけど、この件、そんな単純な問題ではないですよ。 コンサルタントだか弁護士だかで、正直に公表した点に誠実さを感じるなどと評価してる人もいましたけど、なに寝言いってるの。ワシントンの道徳ばなしじゃないんだから。 たしかに健康上の問題はないでしょう。わざとやったのではなく、単なるミスだったという点にも同意します。 でも、それは問題の本質ではありません。問題は、ミスの対処のしかたがずさんなことな
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