ブックマーク / shorebird.hatenablog.com (48)

  • 書評 「無限の始まり」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    無限の始まり : ひとはなぜ限りない可能性をもつのか 作者:デイヴィッド・ドイッチュ発売日: 2013/10/29メディア: 単行 書は量子計算・量子コンピュータの概念を世界に提示したことで知られる物理学者デイヴィッド・ドイチュによるヒトの文化を含めた世界の成り立ちを語る独創的なだ.ピンカーが「21世紀の啓蒙」において引用していることもあって気になっており,しばらく電子化されるのを待っていたのだがどうもなりそうもなく,物理で手にした一冊になる.「無限の始まり」という題名は良い説明をキーとするヒトの科学的文化的活動は一度始まってしまえば無限に広がる可能性があることを示している.原題は「The Beginning of Infinity」. 第1章 説明のリーチ まず科学理論とはどういうものかが解説される.それは何かから導き出されるものではなく,観察から大胆に推量されるものだ.ではどの

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    tokyocat 2024/02/26
  • 書評 「ストーリーが世界を滅ぼす」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    ストーリーが世界を滅ぼす―物語があなたの脳を操作する 作者:ジョナサン・ゴットシャル東洋経済新報社Amazon 書は進化的視点から文学を論じる著書を持つ英文学者であるジョナサン・ゴットシャルによる,物語*1がヒトの認知にとってどのような意味を持ち,それが現在の世界にどういう影響を与えているかを論じただ.あるいは「物語の闇の力」についてのといってもよいだろう.原題は「The Story Paradox: How Our Love of Storytelling Builds Societies and Tears them Down」 序章 物語の語り手を絶対に信用するな 序章では書の大きなテーマが語られている.ヒトが会話するのは,それは相手を「なびかせる」ためだ.それは他人の心に影響を与えることであり,普通には説得で,時には操作ということになる.そして著者は「物語」こそが「なびかせ

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    tokyocat 2022/10/04
    《現在の世界はソーシャルメディアによりストーリーテリングのビッグバンを迎えている》 読みたい!
  • 書評 「読む・打つ・書く」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    読む・打つ・書く: 読書書評・執筆をめぐる理系研究者の日々 作者:三中 信宏東京大学出版会Amazon 書は三中信宏による理系研究者のための読書論,書評論,そして執筆論のだ.一気呵成に迸るように書かれた文章は迫力十分で,そしてすべては自分の(研究の)ためというポリシーが圧倒的に壮快だ. 第1楽章 読む:読みのアンテナを張る*1 冒頭は「との出会い」から始まる.との出会いは一期一会でこれはと思うは逃してはいけないこと,探書アンテナを張ることの重要性,ランダムな出会いもまたよいこと,多言語蔵書の深みなどが語られている. そこからいかに深くを読むかというテーマになる.読むにはまずを読みきって何が書いてあるかを理解するという段階,そして次になぜこのが書かれなければならなかったかを問いかける段階があるという.そしてを学べばより世界は広がり,得られた知識ネットワークは信頼するにた

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    tokyocat 2021/11/06
    読みたい
  • 書評 「文化がヒトを進化させた」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    文化がヒトを進化させた 作者:ジョセフ・ヘンリック,今西康子出版社/メーカー: 白揚社発売日: 2019/11/01メディア: Kindle書は文化進化リサーチの第一人者の1人ジョセフ・ヘンリックによる一般向けの文化進化解説だ.ヘンリックは元々航空宇宙工学のエンジニアだったが,人類進化に関する興味からロバート・ボイドのもとで文化進化のリサーチャーに転身したという経歴を持つ.書は社会科学と生物科学の知見を総合して人類進化と文化進化を調べてきたヘンリックによる20年間の知見をまとめたということになる.原題は「The Secret of Our Success: How Culture Is Driving Human Evolution, Domesticating Our Species, and Making Us Smarter」 第1章 不可解な霊長類 まず生物としてのヒト

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    tokyocat 2020/01/19
    “狩猟採集に見られる平等主義文化が本当に戦争に勝つために有効だったかどうかの吟味はない.あるいはドミナントな支配者による訓練された規律ある軍隊の方が有効ではないかということについて考察されていない”
  •  「猫はこうして地球を征服した」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    はこうして地球を征服した: 人の脳からインターネット、生態系まで 作者: アビゲイル・タッカー,西田美緒子出版社/メーカー: インターシフト発売日: 2017/12/27メディア: 単行この商品を含むブログ (3件) を見る 書は(もちろん)ネコ好きで,子供時代からネコを飼い続けているサイエンスライターのアビゲイル・タッカーによるネコについての科学啓蒙書だ.私はどちらかといえばイヌ派だが,そういえばネコについてはきちんと読んだことがないなと思って手に取った一冊になる.原題は「The Lion in the Living Room: How House Cats Tamed Us and Took Over the World」. 序章では書の中心テーマが提示される.それは「ネコは我々の役に立っているようには見えないし,最近では野鳥殺しの侵略的外来種としての悪評も高いのに,なぜこんな

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    tokyocat 2018/04/04
    “世界で最もペットとしてネコの人気がないのがインドであり,そこではなお大型ネコ類による捕食リスクが残存しているというのは偶然ではないだろう”
  •  Enlightenment Now その2 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    Enlightenment Now: The Case for Reason, Science, Humanism, and Progress 作者: Steven Pinker出版社/メーカー: Viking発売日: 2018/02/13メディア: Kindle版この商品を含むブログ (30件) を見る <第1部 啓蒙運動> ピンカーの新著.全体は3部構成で,第1部は「Enlightenment」と題されている.定冠詞のTheがついていないので,18世紀の啓蒙運動を特に指しているわけではないが,啓発とか啓蒙と訳すよりも,より一般的な意味を込めて啓蒙運動とする方がいいように思う. 冒頭の引用は英国の数学者ホワイトヘッドのものだ.これが18世紀の啓蒙運動についての最も的確な表現だと言うことだろう. 18世紀のコモンセンスは,そしてそれによる人々の苦しみについての明白な事実とヒトの性にある明

     Enlightenment Now その2 - shorebird 進化心理学中心の書評など
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    tokyocat 2018/02/28
    ピンカー《そういう質問をするからにはあなたは自分の信念についてのreasonを探しているのだろう.つまりあなたは自分にとって何が重要かを探し出して正当化することについてreasonにコミットしている》 そだね〜!!!
  •  東京大学 こころの多様性と適応の統合的研究機構 キックオフシンポジウム - shorebird 進化心理学中心の書評など

    東京大学には,学部,研究科,研究所,全学センターなどの組織とは別に「総長室総括委員会」を設置する「機構等」という組織が20近くある.(例えば地球観測データ統融合連携研究機構,大学発教育支援コンソーシアム推進機構などの名前が並んでいる) 今般この機構等の1つとして「こころの多様性と適応の統合的研究機構」が新たに発足する.これは総合文化研究科、医学系研究科、人文社会系研究科、教育学研究科、法学政治学研究科の緊密な連携により,思春期,青年期に焦点をある程度当てて,系統発生,進化適応,社会党の相互作用などのいろいろな面からこころの発達を調べていこうという学際的な取り組みを行うもののようだ.英名は「UTokyo Institute for Diversity & Adaptation of Human Mind」略して「UTIDAHM」(ユーティダムと読むようだ) そして6月13日にそのキックオフシ

     東京大学 こころの多様性と適応の統合的研究機構 キックオフシンポジウム - shorebird 進化心理学中心の書評など
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    tokyocat 2015/06/20
  •  「Caught in the Pulpit」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    Caught in the Pulpit: Leaving Belief Behind 作者: Daniel C. Dennett,Linda LaScola出版社/メーカー: Pitchstone Publishing発売日: 2015/05/01メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る 書はダニエル・デネットとリンダ・ラスコーラによる「神を信じることができなくなった聖職者」についてのリサーチをまとめただ.ダニエル・デネットは著名な科学哲学者で「Breaking the Spell(邦題「解明される宗教」)」という宗教にかかるを著し,新無神論者の一人とされている.そしてそれに触発されたラスコーラと協同してこの「神を信じることができなくなった聖職者」についてのリサーチを始めることになる*1.二人はまず2010年にそのような聖職者5人のインタビューの分析を中心とする「Pre

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    tokyocat 2013/12/31
    《信仰を保てなくなった聖職者》《得られる最大のものは知的な誠実性だ.全く新しい知識の地平に出会い,何でも自由に考え,議論できる》《失うものは多くの同僚や家族や友人との絆》《永遠にケアされるという感覚》
  • 「Did Darwin Write The Origin Backwards?」 第2章  「ダーウィンとグループ淘汰」 その1  - shorebird 進化心理学中心の書評など

    Did Darwin Write the Origin Backwards?: Philosophical Essays on Darwin's Theory (Prometheus Prize) 作者: Elliott Sober出版社/メーカー: Prometheus Books発売日: 2010/12/01メディア: ペーパーバック クリック: 4回この商品を含むブログ (3件) を見る さてソーバーのダーウィンエッセイ,第2章はソーバーがD. S. ウィルソンと組んで進化生物学者に論争を挑んだグループ淘汰がテーマだ. ここではソーバーのグループ淘汰に関する議論が繰り広げられる.レビューの前にまずこのグループ淘汰論争における私の理解をディスクローズしておこう. ダーウィン ダーウィンの著作,書簡集には個体淘汰を基とする姿勢が示されているが,「Descent*1」のヒトの性質について

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    tokyocat 2013/11/17
    グループ淘汰に関する議論
  •  「The Stuff of Thought」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    The Stuff of Thought: Language as a Window into Human Nature 作者: Steven Pinker出版社/メーカー: Viking Adult発売日: 2007/09/11メディア: ハードカバー購入: 2人 クリック: 120回この商品を含むブログ (105件) を見る ちょうど昨年の今頃に出版されたスティーブン・ピンカー待望の新刊は「The Stuff of Thought」と題されている.「思考の素」とでもいうところだろうか.ピンカーによるとこれは彼の「言語トリオロジー」(The Language Instinct, Words and Rules が1,2作)の最終作であり,かつ「ヒトの心トリオロジー」(How the Mind Works, The Blank Slate が1,2作)の最終作でもあるという.言語はそこから

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    tokyocat 2013/04/25
    《私達が普段使っている言語とはきらきら輝く宝石が不思議なパターンを作っているようなものなのだ.そしてそのパターンの中にヒトの心,ヒトの社会が浮かび上がってくるさまを鮮やかに体験できる》 ピンカー偉大
  •  「言語が違えば,世界も違って見えるわけ」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    言語が違えば、世界も違って見えるわけ 作者:ガイ ドイッチャーインターシフトAmazon 書は言語学者ガイ・ドイッチャーによる「言語がヒトの思考に影響を与えているか」という問題,いわゆるサピア=ウォーフ仮説の弱いバージョンについてのである.原題は「Through the Language Glass: Why the World Looks Different in Other Languages」 この問題は,私の理解では,以下のような状況だ.最初「言語こそが思考を構成する」というサピア=ウォーフ仮説の強いバージョンが主張され,一部の哲学者や文化相対主義者たちが飛びついたのだが,数々の証拠から否定された.次に「言語は思考に影響を与えている」という弱いバージョンが主張されるようになった.そしてこれについて様々なリサーチが行われ,論争が繰り広げられ,少なくとも何らかの影響があることはほぼ

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    tokyocat 2013/04/25
    《ここで主張されている母語影響はごくふつうの習慣の与える影響(たとえばよくゴルフとする人と野球をする人の違い,ガラケーを使う人とスマホを使う人の違い,)と何か質的,量的に異なるとは思えない》
  • 「The World Until Yesterday」 第9章 デンキウナギは宗教の進化について何を教えてくれるのか  - shorebird 進化心理学中心の書評など

    The World Until Yesterday: What Can We Learn from Traditional Societies? 作者: Jared Diamond出版社/メーカー: Allen Lane発売日: 2012/12/31メディア: ハードカバー クリック: 51回この商品を含むブログ (27件) を見る 第5部 宗教,言語,健康 第9章 デンキウナギは宗教の進化について何を教えてくれるのか? ダイアモンドの次のトピックは宗教だ.これまでも進化的視点で宗教について考察されたものはあるが,そこにダイアモンドも参入ということになるようだ. まずニューギニアの起源神話を紹介している.何となくエデンの園やバベルの塔と似た話で面白い.そしてなぜ宗教は互いに似ているのかと読者に問いかける.ダイアモンドは宗教は1つのユニバーサルであってこれには説明が必要だと主張する. そして

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    tokyocat 2013/04/08
    ダイアモンド「宗教の将来はどうなるだろうか.もし世界の生活水準が序章し続けるなら.機能のうち人生の意味だけが残るだろうもし生活水準が下がるなら,宗教はそのすべての機能とともに復活するだろう」
  •  「進化:生命のたどる道」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    進化――生命のたどる道 作者: カール・ジンマー,長谷川眞理子,入江尚子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2012/05/30メディア: 単行購入: 9人 クリック: 125回この商品を含むブログ (10件) を見る 書は,おそらく現在最も精力的でかつ進化生物学に関して理解の深いサイエンスライター,カール・ジンマーによる進化学に関する総合的な解説書である*1.原題は「The Tangled Bank: An Introduction to Evolution」*2,2009年の出版である. 実はジンマーは2001年に進化にかかる総合的な啓蒙書「Evolution: The Triumph of an Idea 」(邦題「進化大全」)を書いており*3,さらに職の進化生物学者エムレンと共著で「Evolution: Making Sense of Life」という格的な学部学生向けの

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    tokyocat 2012/10/03
  •  日本進化学会2012 参加日誌 その2  - shorebird 進化心理学中心の書評など

    大会初日 8月21日 その2 午後の最初のセッションは口頭発表に参加,面白かったものを2つほど紹介しよう. 一般口頭発表4 「ウロコガイ上科二枚貝類における共生様式の進化とダイナミックな寄主転換パターン」 後藤龍太郎 ウロコガイは砂地に穴を作って住む様々な生物(8動物門に渡る)に寄生(片利共生)する二枚貝の仲間だ.このウロコガイとホストの系統解析をつきあわせると頻繁にホストスイッチしていることが示された.これはウロコガイが場所としてホストに寄生しているだけで栄養的には独立している(だからそれに関して特別の適応がない)ことによるものと思われる. 「八重山諸島のハシブトガラスCorvus macrorhynchos osaiに起こりつつある生態学的種分化」 山崎剛史 八重山諸島にはハシブトガラスが生息する.これまでこれらは全て同じ亜種(オサハシブトガラス)とされてきた.しかし石垣島,西表島のよ

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    tokyocat 2012/09/02
  •  「しあわせ仮説」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    しあわせ仮説 作者: ジョナサン・ハイト,藤澤隆史,藤澤玲子出版社/メーカー: 新曜社発売日: 2011/07/06メディア: 単行購入: 12人 クリック: 226回この商品を含むブログ (15件) を見る 書は道徳の心理学,ポジティブ心理学で有名な社会心理学者ジョナサン・ハイトによるもので,最新の様々な分野の心理学的な知見を踏まえて,人の幸せについて考察し,さらにどうすればより良い人生になるかについてもいくつかアドバイスを試みているものである.原題は「The Happiness Hypothesis: Finding Modern Truth in Ancient Wisdom」.また書では古代の賢者のにある内容を現代の理解で解説するという趣向もあり,それが副題の意味ということになる. まず第1章で心が統一体ではなく分裂した部分からなっていることが説明される.これは進化心理学で

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    tokyocat 2012/01/29
    わたしのこころは「象」、わたしは「象使い」にすぎない。たしかにそうかもしれない。ところで、象と象使いについては村上春樹が(趣旨は全く違うが)何かの小説に書いていた。
  • 「The Better Angels of Our Nature」 第1章 外国 その2  - shorebird 進化心理学中心の書評など

    The Better Angels of Our Nature: Why Violence Has Declined 作者: Steven Pinker出版社/メーカー: Viking発売日: 2011/10/04メディア: ハードカバー購入: 8人 クリック: 239回この商品を含むブログを見る ピンカーによる過去への旅は続く.次は中世だ. <中世の騎士道> 一般に西洋では中世に対してロマンチックなイメージがあるようだ.しかしピンカーは実情はまったく異なると指摘している.中世は私闘,刃傷沙汰,残虐行為,レイプのあふれる世界だったというわけだ. 一般的なロマンチックなイメージについてのピンカーのコメントは以下の通り そのジェントルさが讃えられているときも,その内容は,(事前に殺すと誓っていないときに限って)許しを請うものの命を取らないことなどに過ぎない.レディについては誰かに連れ去られない

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    tokyocat 2012/01/01
    ピンカーの本 《若い世代は決闘するものを笑い蔑むようになったのだ.これも暴力減少現象の1つと言うことだろう》
  •  「イカの心を探る」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    イカの心を探る 知の世界に生きる海の霊長類 (NHKブックス) 作者: 池田譲出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2011/06/25メディア: 単行(ソフトカバー)購入: 10人 クリック: 207回この商品を含むブログ (9件) を見る 書はイカの知性に興味を抱いたイカの研究者の研究物語である.ヒト以外の動物の知性の研究については霊長類やイルカ,それに一部の鳥類のものが有名だが,イカというのは意表を突いている.書ではそのような研究にいたった経緯や研究の苦労物語を交えて語ってくれている. 書はまずイカとはいかなる動物かという紹介から始まる.分類学的にはタコやオウムガイと並んで軟体動物の頭足類に属し,大きくコウイカとツツイカに分かれるということになる.これらは全て海産である*1.日人はコウイカとツツイカを普通「イカ」と呼び区別しないが,英米では一般的な名称としてcuttlef

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    tokyocat 2011/10/29
    《なんとイカは鏡に向かって,ほかの対象には示さない行動をとり(近寄っていって触る),さらに驚くことに低温麻酔をして染料を注射してマーキングすると,有意にその側を映して見るようなのだ》すごいじゃなイカ!
  • 「Why everyone (else) is a hypocrite」 第4章 その1  - shorebird 進化心理学中心の書評など

    Why Everyone (Else) Is a Hypocrite: Evolution and the Modular Mind 作者: Robert Kurzban出版社/メーカー: Princeton Univ Pr発売日: 2011/01/03メディア: ハードカバー購入: 4人 クリック: 174回この商品を含むブログ (25件) を見る 第4章 モジュラーな私 第3章で「意識モジュール」はすべてを統括する「私」ではないことを見てきた.では「意識モジュール」とは何なのか?クツバンは「意識モジュール」は大統領ではなく報道補佐官なのだと説明する. クツバンのいいたいことは,「大統領報道補佐官」は大統領が伏せておきたいと考えることは最初から知らない方がいいということだ.知らなければ絶対に彼からもれることはないが,知っていればうっかりもらしてしまったり,嘘をつくことの難しさからばれたり

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    tokyocat 2011/06/05
    《クツバンは「意識モジュール」は大統領ではなく報道補佐官なのだと説明する》《伏せておきたいと考えることは最初から知らない方がいいということ》
  • 「Why everyone (else) is a hypocrite」 第2章 その1 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    Why Everyone (Else) Is a Hypocrite: Evolution and the Modular Mind 作者: Robert Kurzban出版社/メーカー: Princeton Univ Pr発売日: 2011/01/03メディア: ハードカバー購入: 4人 クリック: 174回この商品を含むブログ (25件) を見る 第2章 進化と分断された脳 脳は何故そもそも汎用計算機ではなく,モジュールで構成されているのだろうか.進化心理学ではそれを自然淘汰による適応デザインとして説明することになる.そしてクツバンはこの章で機能を中心に考えると脳がモジュールから構成されていることが理解できるということを説明する. まずクツバンの好きなとしてBraitenbergの「Vehicles」が紹介されている.これは純粋な思考実験として単純な車に次々と機能を付け加えていくもの

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    tokyocat 2011/05/20
    《モジュラー性でない方が不自然なのであり,モジュラー性でないと主張する方に挙証責任があるだろうというわけだ》脳(心)、iPone
  • 「Why everyone (else) is a hypocrite」 第1章 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    Why Everyone (Else) Is a Hypocrite: Evolution and the Modular Mind 作者: Robert Kurzban出版社/メーカー: Princeton Univ Pr発売日: 2011/01/03メディア: ハードカバー購入: 4人 クリック: 174回この商品を含むブログ (25件) を見る 書は気鋭の進化心理学者ロバート・クツバン*1によるヒトの心のモジュール性についてのである. 標題は「なぜ誰もが偽善者なのか」ということだが,“(else)”が入っているので,(そして誰もが「自分だけは違う」と感じているのだが)というニュアンスがあるのだろう.つまり書の真の疑問は,「ヒトはみな偽善者なのだが,それを自分で気づかないのは何故なのか」ということだ.クツバンはこの疑問を心のモジュール性から説明しようとしているのだ. まず謝辞にお

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    tokyocat 2011/05/15
    《脳の中に「人格」が複数あってそのうちひとつだけがしゃべることができる(そしてそれ以外の「人格」も意見を持っているかもしれないが,言語を司っていないので外部に説明できない)と解釈》