移住編の第二弾である。田舎に移住といっても日本国内であるならば、住居費以外の生活にかかる費用はさほど変わらない。だがその目を海外に向けるならば、物価格差を利用して少ないお金で断然豊かな生活が可能だ。 インド・アジア方面と貧乏旅行のカップリングというと、汗と涙と激しい好奇心を友としてアツく放浪するイメージが根強いかもしれない。しかし実情は、一カ所にどっぷり腰を落ち着けてしまい(「沈没」と言うらしい)、ニートっぷりを海外でアピールするかのような度を越してぐうたらな日々を送る人々が大勢いるらしいのである。『新潮45』2005年6月号に載った下川裕治「「外こもり」の人びと タイ日本人宿のNEETたち」から、バンコク・カオサン地区の安宿に集う人達の生活ぶりを引用してみる。 目覚めるのは早くて昼頃。午後二時、三時という人も多い。屋台で十バーツほどの麺をかき込み、なんとなくあたりをうろついて日本人の溜